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学科 メディア学科
年度 2012
ゼミ名 柴内 康文
タイトル 相談理由の変化によるメディア選択の変化
内容 本論文では、大学生が身近な相手に相談する際に、どの相談方法を選択するかについて、アンケート調査を行った。「解決策がほしいと思っている場合にはメールで、話を聞いてほしいと思っている場合には直接対面で相談することを望む」という仮説を設定した。聞いてほしい場合には、解決策がほしい場合に比べて、直接対面を望む傾向が有意に見られたが、メールに関しては相談するときの気持ちによって大きな差は見られなかった。相談する内容を6つに分けて分析を行ったところ、お金の問題にのみ有意な結果が得られた。また、相談する相手に関して、家族に相談する場合はメディアを介したコミュニケーションを望み、友人に相談する場合は直接対面を望む傾向にあり、相談する相手も相談する方法に強い影響を及ぼしていた。相談時のメディア選択を調査する際には、相手、内容、気持ち、相談者の性格、相談者が相談相手に会う頻度を考慮しておく必要があると言える。
講評  試問においてそれぞれの問題について聞いたので、個別の講評は省略します。試問においては、主に二点について問うようにしました。一つは、自分自身では気づきにくいが、論文が抱えている大きな論理的欠陥についてでした。問題を明確にし、取り扱える規模に小さくしていかないと論文は完成しませんが、そのような作業の中でどうしても細かい部分にばかり目がいってしまい、大きく見たときにおかしな部分がでてきてしまうことがあります。もう一つの質問点は、論文において論証できたことをふまえて、いったいどのようなことが扱った現象、あるいは社会に対して言えるのか、ということでした。実は、この二つの問いは相互に関連しています。解明したことから、何を言おうとしているのか、それが論文を貫く太い幹、ストーリーです。この中心線を折に触れて思い出すようにすれば、細かな作業や議論をしているときも、それらの部品がどこを向いていなければいけないのか、部品間に組み合わせのおかしなところがないのか確認することができます。「木を見ている時に同時に森を思い浮かべる」ことを、これからも意識してもらえればと思います。
 試問では聞きませんでしたが、加えて、全体に記述や文献の整理などに精緻さを欠いた、チェック不足の側面が見受けられました。言うまでもないですが、精緻な作業はあらゆるものの基本です。神は細部に宿ります。それを甘く見て足をすくわれることもあります。ひとまとまりの大きな仕事を終えたいま、太い幹の意識と、細かで正確な作業の重要性に改めて思いをいたしてもらえればと思います。卒論を完成させたからこそ、ここで書いている意味もわかるでしょうし、次の大きな仕事に取りかかるときに、この経験が生きることになるでしょう。
キーワード1 メディア選択
キーワード2 相談時の心情
キーワード3 大学生
キーワード4 相談相手
キーワード5 相談内容
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