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学科 | メディア学科 |
年度 | 2012 |
ゼミ名 | 柴内 康文 |
タイトル | 東日本大震災による人生観の変化と消費行動への影響 |
内容 | 本研究は、2011年3月11日に発生した東日本大震災が人々の人生観や消費行動に与えた影響について研究したものである。先行研究の分析から、この人生観と消費行動には関係性があり、また、震災の影響の受け方は人によって様々で、いくつかのパターンに分類できると考えた。これを検証するため、震災から約1年半が経過した2012年10月に、関西の学生を対象とした質問紙調査を実施した。その結果、震災による人生観の変化に関しては、「結びつき重視」「個人努力重視」「無常観」の三因子が抽出された。これらの人生観の変化と消費行動(「買いだめ」「応援消費」「自粛」「商品志向」)を組み合わせて分析したところ、①東日本大震災により結びつきを重視するようになった人ほど、震災直後に自粛と応援消費を行い、②震災により悲観的な無常観が強くなった人ほど、新商品よりも、今までずっとあった商品を求める、という結果が得られた。 |
講評 | 試問においてそれぞれの問題について聞いたので、個別の講評は省略します。試問においては、主に二点について問うようにしました。一つは、自分自身では気づきにくいが、論文が抱えている大きな論理的欠陥についてでした。問題を明確にし、取り扱える規模に小さくしていかないと論文は完成しませんが、そのような作業の中でどうしても細かい部分にばかり目がいってしまい、大きく見たときにおかしな部分がでてきてしまうことがあります。もう一つの質問点は、論文において論証できたことをふまえて、いったいどのようなことが扱った現象、あるいは社会に対して言えるのか、ということでした。実は、この二つの問いは相互に関連しています。解明したことから、何を言おうとしているのか、それが論文を貫く太い幹、ストーリーです。この中心線を折に触れて思い出すようにすれば、細かな作業や議論をしているときも、それらの部品がどこを向いていなければいけないのか、部品間に組み合わせのおかしなところがないのか確認することができます。「木を見ている時に同時に森を思い浮かべる」ことを、これからも意識してもらえればと思います。 試問では聞きませんでしたが、加えて、全体に記述や文献の整理などに精緻さを欠いた、チェック不足の側面が見受けられました。言うまでもないですが、精緻な作業はあらゆるものの基本です。神は細部に宿ります。それを甘く見て足をすくわれることもあります。ひとまとまりの大きな仕事を終えたいま、太い幹の意識と、細かで正確な作業の重要性に改めて思いをいたしてもらえればと思います。卒論を完成させたからこそ、ここで書いている意味もわかるでしょうし、次の大きな仕事に取りかかるときに、この経験が生きることになるでしょう。 |
キーワード1 | 東日本大震災 |
キーワード2 | 人生観 |
キーワード3 | 消費行動 |
キーワード4 | 災害 |
キーワード5 | メディア |
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