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学科 | メディア学科 |
年度 | 2012 |
ゼミ名 | 渡辺 武達 |
タイトル | 遺骨収集をめぐる新聞報道の比較研究 |
内容 | 遺骨収集に対する新聞各社の報道分析を行った。 検証方法は1995年~2010年の全国紙5紙15年分の東京版朝刊から「遺骨収集」というキーワードでデータベース検索し、記事を抽出した。記事を①プレスリリース②読者の声③その他記事の3つに分類し、総記事数や時系列のグラフをもとに分析を行った。5紙の平均値と各紙の記事数の変化を比較し、記事の増減は何によって起きるのか、各紙の特色は何かを探った。 全体の傾向としては、プレスリリース、読者の声に比べ、その他記事の割合が最も多く、記事数は1995年、2000年、2005年、2010年で盛り上がりを見せた。また、シベリア抑留と硫黄島特命チームの記事に関してはどの新聞社も力を注いでいた。新聞全体の傾向として、国家事業・法整備・国家予算など政治が関係してくる場合に、ニュースとしての価値が上がり、報道が増えるということが分かった。 各紙の傾向は、朝日新聞は、総記事数は平均的だったものの、時系列でみると、平均とのずれが目立った。読売新聞は、総記事数、時系列記事数ともに最も平均的な報道傾向で、シベリア抑留に関連した記事が多くみられた。日経新聞は他の4紙と異なり唯一の経済紙であり、総記事数、時系列記事数ともに最も低い報道となった。毎日新聞は、1995年から7年は平均値を下回る記事数だが、2003年を境に記事数が倍増し、社の遺骨収集報道に対する姿勢の変化がうかがえた。産経新聞は総記事数・時系列記事数ともに最も報道量が多かった。また定期的に連載記事を掲載しており、そこからも継続的に遺骨収集問題に取り組んでいることが分かった。 |
講評 | 終戦から67年を迎えた2012年現在も戦没者の遺骨収集活動は終わりを迎えていないどころか、遅々とした歩みでしかない。メディアが伝えない事項は大きな社会問題にならないことから、まず日本の主要新聞がこの遺骨収集をどう伝えてきたのかを、朝日、読売、日経、毎日、産経の主要全国紙5紙の1995-2010年の15年間の遺骨収集報道を検討することによって検証し、同時に遺骨集団の内情や日本と米国の戦没兵士の遺骨収集についての社会的態度と政治的落差にも言及した。日本の戦争責任の自覚の不徹底を新聞社の社会活動から探るという意欲的な論文で有意義なものだが、大きなテーマへの肉薄としては焦点の分散が見られ、今後の継続的研究に期待する面も多い。 |
キーワード1 | 遺骨収集 |
キーワード2 | 新聞 |
キーワード3 | 戦争 |
キーワード4 | 定量分析 |
キーワード5 | 内容分析 |
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