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学科 | メディア学科 |
年度 | 2012 |
ゼミ名 | 渡辺 武達 |
タイトル | デジタル教科書導入と経済/学力格差の是正の研究 ~韓国を例にして~ |
内容 | 本研究では、「デジタル教科書の導入によって所得間経済格差と学力格差の問題は是正されるか」をテーマに、韓国・日本の社会経済問題、教育問題を掘り下げ、デジタル教科書が格差是正に果たす役割を分析した。近年、韓国では国内外の急激な社会経済状況の変化やそれに伴う産業構造の変化、雇用形態の多様化によってもたらされた所得間経済格差の問題が深刻化している。所得間経済格差はそのまま子どもの教育機会の不平等へと直結する為、世代を超えた階層の固定化が危惧されている。韓国社会は日本よりも学歴偏重の風潮が強く、経済格差による教育機会の不平等は深刻な社会問題となっているのが現状だ。検証プロセスとしては、韓国国内で教育格差が拡大していった要因と背景を、社会経済問題、教育過程(日本の学習指導要領に相当)の両面から掘り下げ、韓国社会が抱える教育問題を明らかにした上で、デジタル教科書の導入が教育の格差是正に有効か検証を行った。デジタル教科書の全面実施に向けてはまだ課題が残るものの、デジタル教科書の導入は現在韓国が直面する所得間経済格差と学力格差の是正に大きな役割を果たすだけでなく、韓国と似た問題を抱える日本においても、問題解決への糸口となるだろう。 |
講評 | 韓国は国としては世界で一番デジタル機器利用率が高く、それを支える電気機器メーカーを後押しする政治/社会体制ともなっている。その一つが教育面における教科書(教育手段と素材)のデジタル化の進行である。韓国社会は日本よりも競争と学歴偏重の風潮が強く、結果として経済格差が生じ、教育機会の不平等も深刻な社会問題となっている。その克服法としてデジタル教科書の導入が図られているがそれが本来の目的を果たせば、国民の直面する学力格差の是正に貢献するかもしれない。その可能性を探った試論として評価できる。 |
キーワード1 | 教育課程 |
キーワード2 | 教育の不平等 |
キーワード3 | 私費教育費 |
キーワード4 | 所得格差 |
キーワード5 | デジタル教科書 |
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