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学科 | メディア学科 |
年度 | 2012 |
ゼミ名 | 渡辺 武達 |
タイトル | 情報化社会におけるカルチュラル・マガジンの研究 |
内容 | 簡単に情報を検索できるインターネット(電子メディア)は情報化社会を作り上げた。この社会は既存のマスメディアに影響を及ぼし、特に紙媒体による出版業界は大きな波を受けて不況に陥っていた。しかし本稿の研究対象である“カルチュラル・マガジン”はいまだ人気を保っておりその要因を探った。まず雑誌の戦前から戦後復興後までの道のりをたどった。戦後復興後は人々の生活力が上がり、現代の消費社会が構築されていった。“大衆”が重要であった戦前・戦後とは異なり、人々の生き方はさまざまなパターンに分かれて“わたし”という独自性を求め始めた。そこで出版社は細かく読者層を区切ってある特定の範囲に狙いを定めるようになった。カルチュラル・マガジンとインターネットを比較してみると、受け手からの取捨選択が必須なインターネットにはない特性があった。それはブランドの社会的認知の獲得と、独自性のある生き方の提案だった。カルチュラル・マガジンとは趣味に対する情報の“ヒント”を提供して、文化の教科書的役割を果たしていた。そしてカルチュラル・マガジンとインターネットは補完関係にあるとわかった。 |
講評 | 筆者はネット時代の活字発行物の全般的な不振のなかで、特定分野の雑誌の好況に注目し、そのコンテンツ(記事の内容・構成およびそれらの表現手法)にブランドの社会的認知の獲得と、独自性のある生き方の提案があることを発見した。この事実を近代の日本の雑誌の史的検証をしながら跡付け、双方向性や利用者の参照系としてのネット情報の検索時代にあってもそれが確認できれば、一定のライフスタイルと文化状況のなかでの活字文化のあり方の積極的展開が可能であることを立証し、提案した。メディア学科卒論として高く評価できる。 |
キーワード1 | カルチュラル・マガジン |
キーワード2 | 情報化社会 |
キーワード3 | 独自性 |
キーワード4 | 文化 |
キーワード5 | 補完関係 |
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