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学科 | メディア学科 |
年度 | 2012 |
ゼミ名 | 渡辺 武達 |
タイトル | 「グローバル化時代におけるメディアの役割―「対抗的な公共圏」という手段―」 |
内容 | グローバリゼーションとは何か。平和とは何か。なぜ遠くの他者への義務があり、それはいかにして果たされ得るのか。重要な役割を担うべきはメディアである。メディアによる恒常的かつ日常的な介入は、最も平和的な第一の手段となり得る。これは、二つの重要な側面を併せもつ。一つは、被当事者(情報の受け手、読者・視聴者)が、問題が深刻化する前に介入の必要性を感知する可能性を生み出すという側面。そしてもう一つは、その問題の当事者(犠牲者)が、自らの声を、窮状を訴え救援を求める声を発信する手段をもつという側面である。自らの声を届けることができず、世界中の無視と無関心に日常的にさらされ続け、自らの命を犠牲にするような過激な手段に出なければ人々の目を自分たちの抱える問題へと向けることができない。そのような状況をこれ以上生み出してはならない。アルジャジーラは報道機関として世界の情報をアラブ世界の内部の人々に伝えつつ、さらにアラブの外側へ情報を発信するような「対抗的な公共圏」の創出に寄与している。それこそがグローバル化時代に必要とされる、メディアの役割なのである。 |
講評 | 複数の人たちが情報交換したり、共同体としての交流をしている空間を「公共圏」だとすれば、その円滑な活動を実現する手段はメディアでしかいない。しかし現実世界でそこに影響力を持つ者は権力保持者であることから、世界の情報秩序は米国主導になっている。そうした傾向に対抗しようとして生まれた放送局がアルジャジーラ衛星放送局だとして、その構図を筆者は「対抗公共圏」という用語の助けを借りての位置づけようとした。その背景には暴力を排除した対話型の民主主義体制は開かれた意見形成過程によって実現されるという筆者の理想がある。本論文ではまだ十分な展開とはなっていないが今後の深化に期待できる意欲を評価する。 |
キーワード1 | 介入 |
キーワード2 | グローバリゼーション |
キーワード3 | 公共圏 |
キーワード4 | 平和/暴力 |
キーワード5 | メディア |
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