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学科 産業関係学科
年度 2012
ゼミ名 浦坂 純子
タイトル 「出世コース」は存在するか
内容  「出世コース」という言葉をよく耳にする。しかし、「出世コース」の存在は、日本企業の遅い昇進傾向と矛盾する。果たして「出世コース」は、本当に存在するのだろうか。本論文では、昇進に影響を与えていると思われる要因について、どの要因がどのように昇進に影響しているのかを分析し、その結果をもとに「出世コース」の存在可能性について論じている。
 検証の結果、会社が意図的に「出世コース」を設けている可能性は低いことが分かった。一方、昇進の決定要因の分析から、高い技能を有している者は難易度の高い仕事に配属されるという配属のルールが明らかになった。そこから、元々仕事能力が高く、昇進の可能性の高い者が難易度の高い仕事に配属された結果、より高い技能を獲得し、出世するという構造が発見された。この過程は、この構造を知らない者から見ると「出世コース」が存在しているように見える。そして、この錯覚こそが「出世コース」の正体であろうという結論に至った。
講評  「出世コースにのった」という表現は日常よくなされるが、その正体を既存の文献を丁寧に検証することで明らかにした切れ味鋭い論考である。入社間もない段階で、自らの可能性を見抜き、難易度の高い仕事を任せてくれるような上司との出会い、そして信頼関係の構築が重要であることは、この先肝に銘じておきたい知見だろう。
キーワード1 技能レベル
キーワード2 昇進
キーワード3 出世コース
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