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学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2012 |
ゼミ名 | 寺井 基博 |
タイトル | 日本の人事制度の変遷 |
内容 | グローバル化が進展する現在では、様々な概念や制度にとどまらず、ヒトも流動化の動きを見せている。その中で“労働”に着目すると「長時間労働問題」「正社員と非正規社員の格差」といった労働問題や「アメリカ的成果主義への移行による弊害」が挙げられる。これらの原因は何なのか。また、今後どのようにして企業は成長していくべきなのか。 本稿では日本の風土や組織、特殊な労働市場、労働に対する価値観等を踏まえて労使が納得したものをルールに落とし込んだ「日本の人事制度」に着目する。そこで戦後から90年代までの人事制度改革はどのようなコンセプト・時代背景・課題をもとに行われ、経営戦略と仕事管理を踏まえた人事制度とはどのようなものかを日本とアメリカの違いを踏まえて捉えた。 その結果、90年代には日本モデルの特徴である「属人基準」や「人材育成」と、長年の懸案であった「人件費の削減」の両立を目指した制度が構築された。この人事制度改革のプロセスの理解を通じて、日本や日本企業がグローバル化にどう対応していくべきかを明らかにした。また、ホワイトカラーの仕事の理解や評価制度から「長時間労働問題」の原因にも迫ることができた。 |
講評 | 提出論文のタイトルは、「労働契約法の制定過程と労使関係」「職人の技能継承」「ベーシックインカムに対する期待の検討」「日本の人事制度の変遷」「フィリピンの住居政策とパシッグ・リバー・プロジェクトの現状」「奈良県と京都市における廃校利活用の実態と課題に関する研究」等々。一瞥してわかるとおりテーマは自由とした。関心のあるテーマならば全力で取り組むことができるのではないかと考えたためだ。学生への事前指導として、目新しいことを書こうとせずに、自分が選んだテーマについて考え抜いたことを書くように勧めた。 自分の考えを書くといっても、まずは先行研究を読んで、議論の枠組みや主要な論点を把握しなければならない。論文の作法として、他者と自己との見解を峻別しなければならない。すると、複数の学生から同じような質問が寄せられる。先行研究の中ですでに書かれてしまっているので、この上「自分の考え」として何を書けばよいのかという内容だ。答えは明瞭である。先行研究の記述をどのように理解し評価したかを書けばよい。これらの作業そこが分析であり、読み手の考えに他ならない。文献研究が単なるコピー&ペーストとならない所以である。 提出された論文は、実証的なもの、思索的なもの、地道な努力が光るもの、苦悶の跡が窺われるものなど多彩であったが、いずれもそこには「現在の自分」が現れている。確かに、考察が不十分なところや論理展開がやや強引なところなど、荒削りな面はある。しかし、筆者の思いが切々と綴られた部分は、自ずと読む者を惹きつける。それは自分自身との対話の深さによるものだろう。 卒業論文の自分を起点として、社会人として新たなスタートを切ってもらいたい。 |
キーワード1 | グローバル化 |
キーワード2 | 職務遂行能力 |
キーワード3 | 組織から市場 |
キーワード4 | 年功制の極小化 |
キーワード5 | 成果主義 |
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