詳細 | |
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学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2012 |
ゼミ名 | 上田 眞士 |
タイトル | 若年層の雇用を守る |
内容 | Ⅰでは、非正規雇用者の置かれている現状、正社員への移行失敗、フリーターに滞留してしまう原因など述べている。Ⅱでは、長期不況の影響を受け、日本の従来の雇用システムが変化してしまったこと、またその変化が非正規雇用者を増やしてしまう原因になったことについて述べている。非正規雇用となった者の苦しい生活についても言及している。Ⅲでは、我々に衝撃を与えた派遣村について述べている。日本に貧困問題があることを目に見える形で訴えたこと、村民に対する取り組みについて述べている。Ⅳでは、主に人的資本について述べている。キャリア・アップの機会が乏しい非正規雇用の増加が人的資本の枯渇につながり、経済発展の妨げになっていること。またイギリスとドイツのキャリア教育と就業支援についてもつなげて考えた。Ⅴでは、行政から提起された労働者の保護の仕組みを強化するための3点の問題点とその対応をまとめ意見を述べている。また雇用維持・創造のため今後取り組んでいかなければならない政策について考えた。 |
講評 | 提出された卒論テーマを分野別に列挙してみると,「産業空洞化と地域経済」「家電企業の日韓比較」「若者の就職難と非正規雇用」「少子化とワークライフバランス」「貧困問題と生活保護,福祉国家」「プロスポーツ選手のセカンドキャリア」等々となっています。これらのテーマを通覧しただけで,一方での経済や経営のグローバル化の進展,他方国内での格差社会化の展開という,現代日本の雇用社会の諸相が浮かび上がってきます。たしかに,問題の掘り下げや論理的な記述の如何という点では,個々の論文ごとにバラツキもありましたが,基本的には卒論作成という課題に対して,ゼミ生皆が誠実に取り組んでくれた,そのように考えています。ここではゼミ生が取り組んだ卒論作業を締めくくる講評として,どういう論文が優れた論文なのか,研究に際して大事だと思われるポイントを二点ほど指摘しておきたいと思います。 一つには,政策提言の出来映えにではなく,問題把握や理解の深さ,広さにこそ,論文の命があるということです。そして,いま一つには,そのためにも本質的に批判的な研究であってほしい,そうした要望です。現代の雇用社会の住人である我々が,その雇用社会の一断面を取り上げ,現に存在するものを正面から受け止めようとするわけだから,そこでは必ず何らかの課題意識や問題意識が生まれてくるはずです。そうした現実に対して抱く緊張感を,論理的に整序して記述しようする姿勢が,論文の作成にとってはとりわけ大事だと思います。先人が述べてきたように,一方では,現にあるものをその存在の根拠から「肯定的」に理解すると同時に,他方では現実が抱え込んだ困難や矛盾を考察する「否定的」な把握も必要です。それが本質的に批判的な研究態度ということになるのだと思いますし,問題把握や理解の深さ,広さに繋がるのだと思います。超然とし過ぎだと言われるかもしれませんが,問題というものは,それがいったんしっかりと把握されたなら,社会が行動を通して,自ずと何らかの解決を見出していくことになる,そうしたものだと思います。 とはいえ,「言うは易く行うは難し」,これも先人の残した金言です。卒論の評価基準というよりは,論文を執筆する際の「心がけ」だと考えて欲しい,そのように思います。 |
キーワード1 | 非正規雇用 |
キーワード2 | セーフティネット |
キーワード3 | ポジショティブアクション |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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