詳細 | |
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学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2012 |
ゼミ名 | 上田 眞士 |
タイトル | 働く女性を支えるワークライフバランスについて考える |
内容 | 2005年、日本は人口減少時代へと突入した。2005年の国勢調査で、日本の総人口は1億2千万人強となり、2004年総人口と比べるとおよそ2万人の減少が見られた。少子化は年々進み、その影響から労働力人口が減少している。そこで、女性の社会進出というものは以前に比べてとても重要となってきている。しかし、女性の社会進出と出生率は負の関係と考えられていた。晩婚化、未婚化といった現在の個人のライフスタイルの選択、現代の家族のスタイルというものは、今後変わるとはあまり考えられない。女性の労働力人口が減ってきている日本で、女性の社会進出はとても重要視するべきポイントではあるが、日本では社会的にそういったことに対する環境が不十分であると考えられる。また、海外に比べて日本の男性の育児休業取得率というものは、厚生労働省の2011年度雇用均等基本調査で初めて2%を超えるといった現状である。そこで、イクメン、育児休業と企業の関係に焦点を当てて、海外との比較を踏まえながら、日本のこれからのワークライフバランスについて考察していく。 |
講評 | 提出された卒論テーマを分野別に列挙してみると,「産業空洞化と地域経済」「家電企業の日韓比較」「若者の就職難と非正規雇用」「少子化とワークライフバランス」「貧困問題と生活保護,福祉国家」「プロスポーツ選手のセカンドキャリア」等々となっています。これらのテーマを通覧しただけで,一方での経済や経営のグローバル化の進展,他方国内での格差社会化の展開という,現代日本の雇用社会の諸相が浮かび上がってきます。たしかに,問題の掘り下げや論理的な記述の如何という点では,個々の論文ごとにバラツキもありましたが,基本的には卒論作成という課題に対して,ゼミ生皆が誠実に取り組んでくれた,そのように考えています。ここではゼミ生が取り組んだ卒論作業を締めくくる講評として,どういう論文が優れた論文なのか,研究に際して大事だと思われるポイントを二点ほど指摘しておきたいと思います。 一つには,政策提言の出来映えにではなく,問題把握や理解の深さ,広さにこそ,論文の命があるということです。そして,いま一つには,そのためにも本質的に批判的な研究であってほしい,そうした要望です。現代の雇用社会の住人である我々が,その雇用社会の一断面を取り上げ,現に存在するものを正面から受け止めようとするわけだから,そこでは必ず何らかの課題意識や問題意識が生まれてくるはずです。そうした現実に対して抱く緊張感を,論理的に整序して記述しようする姿勢が,論文の作成にとってはとりわけ大事だと思います。先人が述べてきたように,一方では,現にあるものをその存在の根拠から「肯定的」に理解すると同時に,他方では現実が抱え込んだ困難や矛盾を考察する「否定的」な把握も必要です。それが本質的に批判的な研究態度ということになるのだと思いますし,問題把握や理解の深さ,広さに繋がるのだと思います。超然とし過ぎだと言われるかもしれませんが,問題というものは,それがいったんしっかりと把握されたなら,社会が行動を通して,自ずと何らかの解決を見出していくことになる,そうしたものだと思います。 とはいえ,「言うは易く行うは難し」,これも先人の残した金言です。卒論の評価基準というよりは,論文を執筆する際の「心がけ」だと考えて欲しい,そのように思います。 |
キーワード1 | 少子化 |
キーワード2 | 未婚化・晩婚化 |
キーワード3 | イクメン |
キーワード4 | 育児 |
キーワード5 | ワークライフバランス |
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