詳細 | |
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学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2012 |
ゼミ名 | 井上 智義 |
タイトル | ニューカマーの子どもの母語・母文化保持教育 |
内容 | 現在日本で行われている外国人の子どもへの日本語教育は、子どもの母語を日本語に置き換えるという考えに基づいた、子どもの文化的背景やアイデンティティを無視した誤った教育である。本論文の目的は、そのような現行の外国人の子どもへの日本語教育の危険性を指摘し、それに代わり今後行われるべき子どもの母語・母文化を保持する教育について、具体的な方法を提言することである。著者の提言は、以下の二点である。一点目に、日本語支援が必要な外国人の子どもが在籍する学校には、学校に一人、子どもの母語ができる相談員を正式な職として設置することを義務付けることである。二点目に、子どもの母語に合わせた具体的な日本語教育の導入である。以上の二点によってニューカマーの子どもに対する母語・母文化保持教育を確立し、子どもの可能性の発展という人的資源の育成を第一に考えた、多文化に寛容な学校教育を実現すべきであると考えられる。 |
講評 | 2012年度の教育文化学科、井上智義ゼミの卒業論文は、テーマとしては異文化理解や外国語の習得、対面コミュニケーションなどの心理学研究であった。大きな枠組みとしてはゼミの研究課題の中に収まっていたものの、独自の発案や工夫がみられる研究が多く、方法論としても私がなるほどと思うようなものまで含まれていた。そういう意味では創造的な研究が多かったといえる。ただ、統計処理の意味が理解できないまま論文を書き進め、厳密には正しくない記述の見られる論文が散見された。また、下書き提出期限ぎりぎりになって、大幅な修正を求められた学生が数人いた。全体としては、興味深い結果が得られた研究が多かったように感じる。多くの論文のレベルは、相当に高いと思われる。 |
キーワード1 | ニューカマー |
キーワード2 | 日本語教育 |
キーワード3 | 母語・母文化保持教育 |
キーワード4 | 多文化 |
キーワード5 | |
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