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学科 教育文化学科
年度 2012
ゼミ名 沖田 行司
タイトル 伝統技術の継承に関する教育文化史的研究
内容 明治以降、さまざまな職人が消えていった。現在は、最後の一人となった職人も多い。職人の技術が途絶えるとき、失われるものは職人が持つ技術だけなのだろうか。筆者は、技術を支えてきた職人の文化や思想も失われるのではないかと考える。このことから、本論文では、伝統技術がどのように継承されてきたのかを明らかにしたうえで、その技術を支えていた文化や思想について考察する。
まず、第一章では、古代・中世においてどのような技術者集団が存在し、そこでどのように技術が伝承されていたのか、また、近世に確立する徒弟制度の萌芽がどのように見られるのかを考察する。第二章では、職人社会が明確に形成される近世において、職人の意識とそれを支えていた職業倫理について考察し、それらを形成したものとして職人の徒弟教育を取り上げる。第三章では、近代化の中で、職人の世界や教育が崩壊した理由を考えるとともに、現代の職人の教育について考察する。そして、職人の仕事への姿勢や意識、教育が、現代社会における「仕事」と「学び」にたいして示唆するものを考える。
講評 毎年、卒業論文の時期が待ち遠しい。なぜなら、論文の作成を通して、初めて学生と向き合うことが出来るからである。毎年のことながら、学生は最初はレポートと卒業論文との区別が明確ではなかったが、本格的に取り組む過程で、隠された才能を余すことなく発揮するようになった。
 前日の夜遅く神戸の出張先から研究室に戻り、遅れている学生と付き合ったこともいい思い出である。「もう少し時間があったらいい論文になったのに」という言葉を聞くだけで、論文指導は成功したと実感した。みんなよく頑張った。

キーワード1 伝統技術
キーワード2 教育
キーワード3 職人
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