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学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2012 |
ゼミ名 | 越水 雄二 |
タイトル | ルターの学校教育論 ―宗教改革期の文化状況と関連付けて― |
内容 | 本論文ではルターの学校教育論を文化状況と関連付けて述べていく。第1章ではルターの生涯と思想について検討する。この章で彼の人物像を探り出し、学校教育論の考察につなげていく。第2章では宗教改革期およびそれ以前の文化状況について論じる。第1節ではラテン語学校およびドイツ語学校を取り扱う。ルターが生まれるまでの学校教育の状況を知るということがこの節の目的である。第2節では識字率、印刷術など文化状況を取り扱う。これはルターの教育論そのものというよりは、彼の教育論がどのように広がるかという点に関係があるため注目している。第3章ではルターの学校教育論について考察する。第1節では彼の学校教育論の内容を、第2節ではそれが後世へ与えた影響を扱っている。そして最終的にはこれらを総合してルターの学校教育論の特徴を捉え、私たちがどう評価すべきかを考察して結論としている。 |
講評 | 今年度は7名の卒業論文の指導に当った。そのうち5名は、3年次から西洋教育文化史ゼミに学び、4年次で2万字の卒論に取り組んだ者である。他の2名は、3年次は国生寿先生の社会教育および生涯学習ゼミに学んだが、2012年3月をもって先生が定年退職されたため、4年次での1万字の卒業論文作成のみ私から指導を受けた。 西洋教育文化史領域5本の2万字卒論のテーマは、①ルターの学校教育論と当時の文化状況、②チェコの人形アニメーションを特徴とする児童文化、③イタリアにおける社会教育・生涯学習活動の原理としてのアソチアツィオニズモ、④イギリス産業革命期に鉄道が人びとの生活にもたらした変化、⑤ヨーロッパにおける年中行事の人間形成的な意義、というようにバラェティに富んでいた。これらのテーマは、各学生が自分の興味・関心に基づいて自由に設定したものである。 どの論文も、各自の研究成果を分かりやすく論述しようと努力していた点は評価できる。ヨーロッパの歴史・文化・教育などに関心をもつ方には、いずれの論文も興味深く読んでいただけるだろう。ただし、欲張りな注文になるが、せっかく大学で勉強するのだから、日本語文献で調べられる範囲で満足せずに、英語文献の参照はもちろん、それぞれのテーマに応じてドイツ語・イタリア語・チェコ語などの文献からも学んだ内容を、たとえわずかでも卒業論文に活かせるように挑戦して欲しかった。これには今後、卒論への3回生段階からの、より計画的かつ積極的な取り組みを促すようなゼミの指導体制と環境作りを目指して、私自身も工夫しながら取り組んでいきたい。 他方、2本の1万字の卒論は、それぞれ、現代日本の子育て支援政策と、生涯学習の基礎につながる新聞教育の意義とをテーマに、国生先生のゼミで3年次に学んだ成果を基礎にして4年次での研究成果がまとめられていた。 以上7論文の提出へ向けた指導を通じて、今年度も、教員の私にも多くの学びがあったことに深く感謝している。 |
キーワード1 | ルター |
キーワード2 | ドイツ |
キーワード3 | 学校教育 |
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