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学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2012 |
ゼミ名 | 越水 雄二 |
タイトル | イギリス産業革命期に 鉄道の登場で変わった人々の生活 |
内容 | 本稿は、イギリス産業革命という劇的な変化の中で、鉄道が登場することによって人々の生活がどのように変化したのか、まとめたものである。ここでいう人々とは、イギリス階級社会の中でも中層以下の人々のことである。また、イギリス産業革命のなかで、鉄道が登場するのは、産業革命も晩期であり、よって本稿においても中心は産業革命晩期である。 鉄道が登場し、まず一番初めに列車に飛び乗るのはお金持ちや権力者であることは予想がつき、間違っていなかった。では、労働者階級の人々にとって鉄道はどのように関わっていったのであろうか。鉄道は、お金持ちのみが独占した貴族の移動手段であると予想した私にとって、それは大きな間違いであった。労働者階級の人々は鉄道が登場して間もなく鉄道によってライフスタイルを大きく変化させられることとなったからである。住むところ、食べるもの、仕事など彼らをとりまく環境の大きな変化をいくつか紹介し、鉄道が果たした役割や人々の生活について言及する。 |
講評 | 今年度は7名の卒業論文の指導に当った。そのうち5名は、3年次から西洋教育文化史ゼミに学び、4年次で2万字の卒論に取り組んだ者である。他の2名は、3年次は国生寿先生の社会教育および生涯学習ゼミに学んだが、2012年3月をもって先生が定年退職されたため、4年次での1万字の卒業論文作成のみ私から指導を受けた。 西洋教育文化史領域5本の2万字卒論のテーマは、①ルターの学校教育論と当時の文化状況、②チェコの人形アニメーションを特徴とする児童文化、③イタリアにおける社会教育・生涯学習活動の原理としてのアソチアツィオニズモ、④イギリス産業革命期に鉄道が人びとの生活にもたらした変化、⑤ヨーロッパにおける年中行事の人間形成的な意義、というようにバラェティに富んでいた。これらのテーマは、各学生が自分の興味・関心に基づいて自由に設定したものである。 どの論文も、各自の研究成果を分かりやすく論述しようと努力していた点は評価できる。ヨーロッパの歴史・文化・教育などに関心をもつ方には、いずれの論文も興味深く読んでいただけるだろう。ただし、欲張りな注文になるが、せっかく大学で勉強するのだから、日本語文献で調べられる範囲で満足せずに、英語文献の参照はもちろん、それぞれのテーマに応じてドイツ語・イタリア語・チェコ語などの文献からも学んだ内容を、たとえわずかでも卒業論文に活かせるように挑戦して欲しかった。これには今後、卒論への3回生段階からの、より計画的かつ積極的な取り組みを促すようなゼミの指導体制と環境作りを目指して、私自身も工夫しながら取り組んでいきたい。 他方、2本の1万字の卒論は、それぞれ、現代日本の子育て支援政策と、生涯学習の基礎につながる新聞教育の意義とをテーマに、国生先生のゼミで3年次に学んだ成果を基礎にして4年次での研究成果がまとめられていた。 以上7論文の提出へ向けた指導を通じて、今年度も、教員の私にも多くの学びがあったことに深く感謝している。 |
キーワード1 | イギリス |
キーワード2 | 産業革命 |
キーワード3 | 鉄道 |
キーワード4 | 労働者 |
キーワード5 | 生活変化 |
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