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学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2012 |
ゼミ名 | 越水 雄二 |
タイトル | ヨーロッパの年中行事と復活祭 -人間形成上の意味を探る- |
内容 | 本稿は、ヨーロッパの年中行事がもつ人間形成上の意味を探ったものである。年中行事に関する著作が数多く出版されているが、そのほとんどが年中行事そのものの紹介であり、それらが人間形成上でどのような意味をもっているのかについて言及しているものは少ないと考えた。そこで本稿では、主にドイツ地方に関する研究に基づいて、数ある年中行事のうち、成長過程にある子供たちや、人々のつながりの様子がより多く述べられている11個を取り上げ、人間が生きていく上で必要かつ大切な要素を育むという年中行事の教育的な意味を考察している。第1章では、その11個の年中行事を節ごとに分けて取り上げ、続く第2章では、キリスト教文化圏の祭りのなかでも重要な復活祭に焦点を当てて詳しく検討している。そして本稿のおわりで年中行事がもつ人間形成上の意味を明らかにし、それらを5つに分けてまとめている。 |
講評 | 今年度は7名の卒業論文の指導に当った。そのうち5名は、3年次から西洋教育文化史ゼミに学び、4年次で2万字の卒論に取り組んだ者である。他の2名は、3年次は国生寿先生の社会教育および生涯学習ゼミに学んだが、2012年3月をもって先生が定年退職されたため、4年次での1万字の卒業論文作成のみ私から指導を受けた。 西洋教育文化史領域5本の2万字卒論のテーマは、①ルターの学校教育論と当時の文化状況、②チェコの人形アニメーションを特徴とする児童文化、③イタリアにおける社会教育・生涯学習活動の原理としてのアソチアツィオニズモ、④イギリス産業革命期に鉄道が人びとの生活にもたらした変化、⑤ヨーロッパにおける年中行事の人間形成的な意義、というようにバラェティに富んでいた。これらのテーマは、各学生が自分の興味・関心に基づいて自由に設定したものである。 どの論文も、各自の研究成果を分かりやすく論述しようと努力していた点は評価できる。ヨーロッパの歴史・文化・教育などに関心をもつ方には、いずれの論文も興味深く読んでいただけるだろう。ただし、欲張りな注文になるが、せっかく大学で勉強するのだから、日本語文献で調べられる範囲で満足せずに、英語文献の参照はもちろん、それぞれのテーマに応じてドイツ語・イタリア語・チェコ語などの文献からも学んだ内容を、たとえわずかでも卒業論文に活かせるように挑戦して欲しかった。これには今後、卒論への3回生段階からの、より計画的かつ積極的な取り組みを促すようなゼミの指導体制と環境作りを目指して、私自身も工夫しながら取り組んでいきたい。 他方、2本の1万字の卒論は、それぞれ、現代日本の子育て支援政策と、生涯学習の基礎につながる新聞教育の意義とをテーマに、国生先生のゼミで3年次に学んだ成果を基礎にして4年次での研究成果がまとめられていた。 以上7論文の提出へ向けた指導を通じて、今年度も、教員の私にも多くの学びがあったことに深く感謝している。 |
キーワード1 | 年中行事 |
キーワード2 | 過越祭 |
キーワード3 | 復活祭 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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