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学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2012 |
ゼミ名 | 越水 雄二 |
タイトル | チェコの児童文化 -絵本・人形劇・人形アニメーション- |
内容 | 本稿は、チェコの児童文化の歴史や特徴について国家の歴史や文化と関連付けながらその魅力を探ることを目的としている。研究対象は主に絵本・人形劇・人形アニメーションである。 まず児童文化をジャンルごとに分け、19世紀、第一共和国時代、社会主義時代、そして民主化時代に至るまで時代を追って論じた。これは時代によって児童文化に求められるニーズが異なっていると考えたからである。作品の時代背景や特徴を知るために歴史書、専門家の評価、書評を参考にし、入手可能なものは実際の作品を鑑賞し考察した。 研究の結果、チェコの児童文化は子どもが楽しむためだけではなく、チェコ民族のアイデンティティ保持のため、さらにチェコ文化の素晴らしさを世界に広めるという国家戦略のために利用されてきたことが分かった。しかし、こうした経緯から児童文化はチェコを代表する文化の一つとして大成したことは注目すべき点であるといえるだろう。 |
講評 | 今年度は7名の卒業論文の指導に当った。そのうち5名は、3年次から西洋教育文化史ゼミに学び、4年次で2万字の卒論に取り組んだ者である。他の2名は、3年次は国生寿先生の社会教育および生涯学習ゼミに学んだが、2012年3月をもって先生が定年退職されたため、4年次での1万字の卒業論文作成のみ私から指導を受けた。 西洋教育文化史領域5本の2万字卒論のテーマは、①ルターの学校教育論と当時の文化状況、②チェコの人形アニメーションを特徴とする児童文化、③イタリアにおける社会教育・生涯学習活動の原理としてのアソチアツィオニズモ、④イギリス産業革命期に鉄道が人びとの生活にもたらした変化、⑤ヨーロッパにおける年中行事の人間形成的な意義、というようにバラェティに富んでいた。これらのテーマは、各学生が自分の興味・関心に基づいて自由に設定したものである。 どの論文も、各自の研究成果を分かりやすく論述しようと努力していた点は評価できる。ヨーロッパの歴史・文化・教育などに関心をもつ方には、いずれの論文も興味深く読んでいただけるだろう。ただし、欲張りな注文になるが、せっかく大学で勉強するのだから、日本語文献で調べられる範囲で満足せずに、英語文献の参照はもちろん、それぞれのテーマに応じてドイツ語・イタリア語・チェコ語などの文献からも学んだ内容を、たとえわずかでも卒業論文に活かせるように挑戦して欲しかった。これには今後、卒論への3回生段階からの、より計画的かつ積極的な取り組みを促すようなゼミの指導体制と環境作りを目指して、私自身も工夫しながら取り組んでいきたい。 他方、2本の1万字の卒論は、それぞれ、現代日本の子育て支援政策と、生涯学習の基礎につながる新聞教育の意義とをテーマに、国生先生のゼミで3年次に学んだ成果を基礎にして4年次での研究成果がまとめられていた。 以上7論文の提出へ向けた指導を通じて、今年度も、教員の私にも多くの学びがあったことに深く感謝している。 |
キーワード1 | チェコ |
キーワード2 | 絵本 |
キーワード3 | 人形劇 |
キーワード4 | 人形アニメーション |
キーワード5 | 児童文化 |
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