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学科 | 社会学科 |
年度 | 2013 |
ゼミ名 | 藤本 昌代 |
タイトル | リーダーシップが及ぼすフォロワーへの影響 ―体育会野球部を基に― |
内容 | 本研究は、スポーツ集団におけるリーダーシップがフォロワーにどのような影響を及ぼすかを調査したものである。三隅の「PM理論」とフィードラーのLPC尺度を参考に、4つの体育会野球部を対象にアンケート調査を行った。そして、各主将のPM得点とリーダーシップ・スタイル、各野球部のモチベーション、チーム・ワーク、ミーティング、モラールについて調査し、野球部間の比較を行った。その中で有意な差が見られたのは「モチベーション」である。結果としては、PM得点に関しては、得点が高いリーダーの組織にモチベーションの高さを見ることができた。LPC得点に関しては、課題動機型リーダーの組織でその高さを見ることができた。「チーム・ワーク」、「モラール」については、組織間で有意な差が見られなかった。ミーティングについても、リーダーの型やPM得点の高低による発言頻度の違いは見られなかった。これらの結果から、リーダーシップはフォロワーの「モチベーション」に最も影響することが理解できた。 |
講評 | 本論文はリーダーシップに着目したものである。三隅のPM理論とフィードラーのLPC尺度を利用し、また自らの問題意識も盛り込んだ調査票を作成し、4つの野球部に対して実査を行っている。杉万らのPM理論をベースとしたサークルのスポーツ集団を対象にした調査データの分析では、PM> M> P>pmの順に「チーム・ワーク」、「モラール」、「コミュニケーション」、「集団会合」の得点が高かったという結論であったのに対して、体育会では異なる結果が出るのではないかと反証を試みている。本データからもPM型のリーダーのチームのモチベーションが高いことが見いだされたが、M型、P型タイプのリーダーが見いだせなかったために杉万らの研究に対して直接的な反証はできなかった。しかし、M型の方がP型よりも成員のモチベーションが高いという結果は、特定のデータの際に言えることであり、一般化できることではないことを明らかにした。理論的枠組み、調査票の設計、実査、データ入力、データ分析、仮説検証と意欲的に取り組まれた秀作である。 |
キーワード1 | リーダーシップ |
キーワード2 | PM理論 |
キーワード3 | LPC |
キーワード4 | モチベーション |
キーワード5 | |
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