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学科 社会学科
年度 2013
ゼミ名 尾嶋 史章
タイトル 学力の社会的背景‐センター試験と全国学力テストの都道府県別格差に注目して‐
内容  秋田県の小学生の学力は全国1位であるが、センター試験平均点の順位は47都道府県中40位である。同じ「学力」をめぐって、なぜこのような逆転がおこるのだろうか。本稿では、「大学受験学力」と「義務教育学力」の違いをとらえることを主眼に、それぞれの社会的背景について考察を進めた。分析には、47都道府県のセンター試験と義務教育学力の平均点数を従属変数として使用し、県民所得や県別のホワイトカラー比率等の独立変数と単回帰分析をおこなった。
 分析からは、大卒学歴の取得は都市部の就業条件となっている場合が多く、都市と地方での大学進学行動の違いを確認することができた。そのため、センター試験点数に表れる大学受験の学力と都市化率、ホワイトカラー比率は強い相関関係にあるようだ。
 一方で義務教育学力の向上には、大学受験とは全く別の社会的背景が作用しているようである。全国学力テストに表れる義務教育学力は、離婚率や失業率との負の相関、3世代同居率との正の相関がみられた。また、このような特徴を持つ生活基盤は、都心部より地方の方が整いやすいことが明らかになった。
講評  学力形成の社会的背景を、全国学力テストとセンター試験の都道府県別得点と都道府県別の多様な社会指標との関係から検討したものである。結果自体は非常に興味深いものであり、一定の結論は得られていると思うが、考察をさらに深めると完成度の高い論文になったと考えられる。
キーワード1 センター試験
キーワード2 義務教育学力
キーワード3 都市化
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