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学科 | 社会学科 |
年度 | 2013 |
ゼミ名 | 鵜飼 孝造 |
タイトル | 「現在の腐女子,その生態について ―二次創作BLと商業誌―」 |
内容 | 1970年代に登場したBLを好む女性・腐女子は,現在市場規模が213億円となるほど増加している。腐女子が語るBLの魅力は,「男性のみが登場する感情移入する隙のない自分と無関係な世界で,神の視点から,社会的義務を排除した対等な立場で展開する純愛やカップルの純粋な関係性を楽しめる」ことである。 本稿では,BLの黎明期を築いた商業誌(原作がBLの要素を含む作品)と現在興隆している二次創作(BL要素のない原作を書き換えたBLの要素を含む作品)両者のファンの違いと,二次創作興隆の理由を,腐女子へのインタビュー調査により分析した。結果,二次創作興隆の要因として(1)手に取りやすさ(2)コミュニケーションの取りやすさ(3)解釈が豊富に残されていることがあげられる。また,二次創作派は,BLを娯楽として受容するだけでなくコミュニケーションの手段とする傾向が,商業誌派は作品のストーリーや作風に惹かれている傾向があると考えられる。 |
講評 | 腐女子とはオタクの女性版?程度の認識しかなかったので、そういうことなのかと大変多くのことを本論文から学ぶことができた。初期の腐女子は、BLというマンガの中にある、女性性の肯定と主体的恋愛の実現が両立する理想に惹かれたという。しかし、現在はむしろ多数派同性の話題や関心に違和感を感じる女子がつくる一時的なペグ・コミュニティの性格が強く、大人になれば彼女たちもリアルな恋愛や結婚をしないわけではない。したがって、腐女子たちも「自分とは無関係な世界」に夢中になる普通の女性なのではないかと著者は結論づけている。そのことは男性のオタクにも当てはまるだろうし、「そういう人もいる」と認めた上で、そんなファンタジーに惹かれる人がなぜこんなに多いのかと、社会学者としては単純に知りたくなるのである。 |
キーワード1 | 腐女子 |
キーワード2 | 二次創作 |
キーワード3 | 商業誌 |
キーワード4 | BL |
キーワード5 | |
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