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学科 社会学科
年度 2013
ゼミ名 鵜飼 孝造
タイトル 「ハイヒールと女性のアイデンティティ ―なぜこの靴を履きたくなるのか―」
内容 階級や地位によって身に着けられる被服が決まっていた時代とは異なり、現代は何を身に着けるかはほとんど個人の自由である。その中で、なぜ人はそのファッションを選択するのか。本稿では人間が生きるためには必要のない「おしゃれ」のためのアイテム、ハイヒールに注目した。歩きにくく脚が疲れる、外反母趾などで足を痛めるといったリスクを伴うこの靴を、世の女性たちが履きたがる理由はどこにあるのだろうか。先行研究から、ファッションはアイデンティティ確立の道具であるとともに、着装によって効用感が得られるという知見を得た。そしてインタビューと調査と合わせて考察した結果、ハイヒールは女性らしさを強調するアイテムであり、履くことによる外見的な変化と、それを自分の目で見る、あるいは他者に見られることによって得られる満足感が、ハイヒールを履きたくなる理由であると結論付けた。
講評 ファッションや流行に関する卒業論文は毎年のように書かれているが、本論文はハイヒールという女性の靴に対象を絞り、それを履く女性の身体や心理に焦点を合わせているところがユニークだと思う。まず、ハイヒールは、現代の若い女性たちにとって、その「立ち姿の美しさ」や「女性らしさ」を演出する重要なアイテムであること、またハイヒールは「大人の女性」や「少し特別な時間」へと踏み出す高揚感を生むものであることが、インタビューから示されている。著者はパリやニューヨークに旅行した際に、あまりハイヒール姿を見なかったというが、おそらくそれは、昼の仕事と晩の社交の服装を分けているからではないだろうか。その区別が曖昧な分、日本の女性にとってハイヒールは、異性より自分の内面へのアピールの意味が大きくなっているのではないか。
キーワード1 ファッション
キーワード2 ハイヒール
キーワード3 女性
キーワード4 アイデンティティ
キーワード5  
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