詳細 | |
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学科 | 社会学科 |
年度 | 2013 |
ゼミ名 | 鵜飼 孝造 |
タイトル | 「時代の変遷に伴う若者像の変化 ―若者が抱く意識分析を通して―」 |
内容 | 「最近の若者は―。」この言葉は今日に限らず、いつの時代も言われてきた。最古の記述では、紀元前2800年の古代アッシリアと言われているほどである。若さゆえの行動や甘い考えを、若者が上の者たちに諌められてきたのはいつの時代も変わらない、ということを示す有名なエピソードである。時代を経るにしたがって、暮らしにはより便利なものが溢れ、物事のハードルは下っていく。そのような暮らしをおくる若者たちの姿が、より苦労した大人たちにとっては納得がいかないものであり、若者批判へとつながるのではないだろうか。時代に応じて、若者はさまざまな顔を見せているように思える。本稿では、主に若者の社会に対する意識の差について時代別に調査する。明治・大正期の若者における心理を夏目漱石著『こころ』から、現役大学生へのインタビュー調査を行い、過去と現在の若者を比較する。 |
講評 | 若者論とは「現在」の若者を対象にするものが多いのだが、この論文では夏目漱石『こころ』の若者、全共闘世代の若者、そして現代の若者の三つを比較考察するところがユニークである。私が勝手に考察するに、それは日本における大学生の始まり、大学生の大衆化、大学生の一般化の時代にそれぞれ対応している。明治の若者は自我の確立を迫られ、全共闘の若者はアイデンティティを喪失し、現代の若者はもはや特別な何かになる必要がない。現在の日本の若者は、史上もっとも他者への思いやりが豊かな良識ある市民だと私は思う。問題は、現在がグローバル社会であり、他の世界には『こころ』時代の若者も「全共闘」の若者も存在するということだ。そんな「タイムマシーン」に乗ってやってくる若者たちに、自分たちについて説明できるようになってほしいものだ。 |
キーワード1 | 若者 |
キーワード2 | 大学生 |
キーワード3 | モラトリアム |
キーワード4 | 学生運動 |
キーワード5 | |
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