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学科 社会福祉学科
年度 2008
ゼミ名 空閑 浩人
タイトル 被虐待者への子育て支援の考察 ―児童虐待の世代間連鎖論の再検討を通して―
内容 本稿は、これまで虐待の背景として存在すると言われてきた世代間連鎖論を見直し、被虐待者が親になることについて考え、虐待された体験を乗り越えて、子育てができるように支援することを目的としている。世代間連鎖の考え方が社会的に主流になっている中、自らの子育てに対して葛藤を抱えるかつての被虐待者に焦点をあてる。
 世代間連鎖論に悩まされている人の存在を取り上げ、被虐待者への偏見が生まれる危険性や、被虐待者が世代間連鎖論に囚われることによる弊害を指摘した。暴力が連鎖するという世代間連鎖論を見直し、新たな見解と虐待の防止策を論じた。
 さらにそれを踏まえて、被虐待者が大人になった時に安心して適切な子育てができる環境について考えた。中でも、ピアカウンセリングなど同じ体験を持つ人に救われたという声が多い点に注目し、その魅力を考えた上で、ソーシャルワーカーの可能性を論じた。最後にこれらを一般化し、あらゆる人が子育てをしやすい環境について考察した。
講評 今年度のゼミ全体に共通するテーマは「ケア論」だったと思います。子どもや若者、高齢者、障害をもつ人々、何らかの生きづらさを抱える人々の誰もが、お互いに支え合うことができる社会、そのような社会のなかで誰もがお互いにケアし、ケアされる関係のなかにこそ一人ひとりの生活の安定や幸福があるということ、そしてどうすればそのような関係が共有していけるのかという問いなどについて、一緒に学び、考えたことが、それぞれの卒業論文で表現されていると思います。
キーワード1 児童虐待
キーワード2 世代間連鎖
キーワード3 子育て支援
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