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学科 | メディア学科 |
年度 | 2013 |
ゼミ名 | 佐伯 順子 |
タイトル | 新聞記事に見る国際結婚像の変遷 |
内容 | 第一章では国際結婚についての歴史や現状などを調査した。日本において国際結婚が正式に認められるようになった1873年以降明治期にはわずか数百件であった国際結婚も、2012年には年間二万件を超えるようになった。第二章では新聞記事を具体的に検証し国際結婚像というものを明らかにしてきた。そこで重要になってくるのが「戦争花嫁」と「アジアからの花嫁」である。紙面に登場する戦争花嫁らは、国際結婚に対するマイナスイメージに新しくプラスのイメージをもたらすきっかけとなった。1980年代から登場した「アジアからの花嫁」は地方の嫁不足とアジア諸国との経済格差を背景に全国的ブームとなり、日本全体の国際結婚件数の増加に影響を及ぼした。新聞分析から判明したのは、明治から戦後少しの間までは国際結婚は珍しくマイナスのイメージがほとんどであったということ、そして1960年代に入ると次第に珍しいものではなくなっていき、1980年代以降には国際結婚に賛成する意見も出始め、現在ではプラスとマイナスイメージが混在しているということであった。(441字) |
講評 | 佐伯ゼミでは、メディアにおけるジェンダーと、テレビドラマを中心とした映像メディアの研究をゼミの課題としているため、今年度の卒業論文においても、そうした要素を取り入れた論文が提出された。家電製品のCMにみるジェンダーについての卒論、国際結婚の変化をテーマにした卒論は、ジェンダーと深く関連する主題であり、いずれも、六十年代、七十年代から二000年代に至るまで、数十年にわたるCMの登場人物や結婚観の変遷を、資料に即して丹念に追い、高度な実証的成果を得ることができた。CMの卒論は映像資料を駆使し、結婚観に関する卒論は新聞記事を精緻に検索することで、メディア学の方法論を手堅くふまえている点も評価できる。アイドルの変遷についての論文も、日本のメディアにおけるアイドルの萌芽期から、数十年に渡るアイドル像の変化を、具体的なアイドルの年表を作成しつつ詳細に調査している。そもそも欧米の映画スターを中心的対象としていた「アイドル」という表現が、日本の歌手へ、さらに歌手以外のタレント的な存在へと変化したことを、具体的なメディア表象の分析から明らかにしたことは大きな成果といえる。また、二重瞼を理想化する美意識についての研究、薫りとメディアについての研究は、近年の資料を中心に、それぞれ、漫画、テレビCMといったビジュアルなメッセージの分析を取り入れ、アンケート調査も含めて、多角的な議論を展開している。容貌や薫りといった、女性に関係の深いテーマとメディアとの関わりを、社会の価値観とともに精緻に探究した結果、優れた成果をあげた。インターネットにおける炎上の問題を研究した卒論は、メディア学研究の最新の課題としてのインターネットにおけるコミュニケーションの分析に挑んだものであり、先行研究には存在しえない新しい事例や動向を取り入れて論じた点が、重要な成果である。まだ先行研究も少ない課題に取り組んだ姿勢も、高く評価できる。ビジュアル系バンドについての研究は、マニア的な知識を駆使して、音楽文化の研究にメディア学の見地から光をあてたユニークな研究である。ビジュアル系バンドの雑誌についての分析を含めることができれば、さらにメディア学的な視点や方法がいかされたかと思うが、時期区分やジャンルの多様性を、学術的にまとめることに意欲を示した点は評価でき、また、ユーチューブのようなインターネット時代の視聴覚的な資料にも目を通して、細分化されたバンドの詳しい解説を展開している点で、確かな成果がみられる。 |
キーワード1 | 国際結婚 |
キーワード2 | 戦争花嫁 |
キーワード3 | アジアからの花嫁 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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