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学科 メディア学科
年度 2013
ゼミ名 佐伯 順子
タイトル インターネットにおける集団行動―炎上と祭り―
内容 第一章では、インターネット上(特にブログやSNSなど)で起こる「炎上」の定義、炎上を招くメッセージの特徴を踏まえた上で、最近起こった炎上の実例4つについて分析した。第二章では、炎上が起こる社会的背景について、インターネットが一般の人にも普及したこと、インターネットの技術そのものが発展したことの2つに注目し考察した。また、炎上の原因に対する見解が多数存在する中で、3つを紹介して分析した。第三章では、先行研究・関連研究として、「フレーミング」と「サイバーカスケード」について取り上げ、炎上に似た現象は、インターネットが一般の人に普及する以前にも存在したことについて考察した。第四章では、主に電子掲示板の2ちゃんねるで起こる「祭り」の定義、特徴、主な例を考察した上で、2ちゃんねる以外(ツイッターなど)でも起こっている、近年話題の「バルス祭り」について分析した。
講評 佐伯ゼミでは、メディアにおけるジェンダーと、テレビドラマを中心とした映像メディアの研究をゼミの課題としているため、今年度の卒業論文においても、そうした要素を取り入れた論文が提出された。家電製品のCMにみるジェンダーについての卒論、国際結婚の変化をテーマにした卒論は、ジェンダーと深く関連する主題であり、いずれも、六十年代、七十年代から二000年代に至るまで、数十年にわたるCMの登場人物や結婚観の変遷を、資料に即して丹念に追い、高度な実証的成果を得ることができた。CMの卒論は映像資料を駆使し、結婚観に関する卒論は新聞記事を精緻に検索することで、メディア学の方法論を手堅くふまえている点も評価できる。アイドルの変遷についての論文も、日本のメディアにおけるアイドルの萌芽期から、数十年に渡るアイドル像の変化を、具体的なアイドルの年表を作成しつつ詳細に調査している。そもそも欧米の映画スターを中心的対象としていた「アイドル」という表現が、日本の歌手へ、さらに歌手以外のタレント的な存在へと変化したことを、具体的なメディア表象の分析から明らかにしたことは大きな成果といえる。また、二重瞼を理想化する美意識についての研究、薫りとメディアについての研究は、近年の資料を中心に、それぞれ、漫画、テレビCMといったビジュアルなメッセージの分析を取り入れ、アンケート調査も含めて、多角的な議論を展開している。容貌や薫りといった、女性に関係の深いテーマとメディアとの関わりを、社会の価値観とともに精緻に探究した結果、優れた成果をあげた。インターネットにおける炎上の問題を研究した卒論は、メディア学研究の最新の課題としてのインターネットにおけるコミュニケーションの分析に挑んだものであり、先行研究には存在しえない新しい事例や動向を取り入れて論じた点が、重要な成果である。まだ先行研究も少ない課題に取り組んだ姿勢も、高く評価できる。ビジュアル系バンドについての研究は、マニア的な知識を駆使して、音楽文化の研究にメディア学の見地から光をあてたユニークな研究である。ビジュアル系バンドの雑誌についての分析を含めることができれば、さらにメディア学的な視点や方法がいかされたかと思うが、時期区分やジャンルの多様性を、学術的にまとめることに意欲を示した点は評価でき、また、ユーチューブのようなインターネット時代の視聴覚的な資料にも目を通して、細分化されたバンドの詳しい解説を展開している点で、確かな成果がみられる。
キーワード1 インターネット
キーワード2 炎上
キーワード3 祭り
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