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学科 産業関係学科
年度 2013
ゼミ名 三山 雅子
タイトル 長時間労働について
内容  本論文は、長時間労働を日本の社会における深刻な問題ととらえ、その影響と、長時間労働が削減される意義についてまとめたものである。
日本の労働時間は週休二日制が定着してきたことなどから最近では減少してきたように見られる。しかし、依然として昔と変わらずに残業が行われているのが実状であり、年次有給休暇の消化率が低いことなども背景として、依然として長時間労働は続いていると言える。また、極端に労働時間の長い人と短い人が存在する労働時間の二極化も見られ、正社員の労働時間は最近ではむしろ増加している。
 日本では少子高齢化などを背景として、ワークライフバランスのとれた社会の実現が重要な政策課題になっているが、こうした長時間労働は個人にとっては健康を脅かしたり、自己啓発に費やす時間の妨げとなるなどの影響を与え、家庭にとっても子育てや出産を困難にする要因となることから、人々の仕事と生活の調和を乱しているといえる。政府は2007 年「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」「仕事と生活の調和推進のための行動指針」において労働時間の削減にむけた具体的な数値目標を掲げた。日本の社会を活力があり持続可能なものにしていくために、労働時間の削減は重要な課題だということができる。
 依然として長時間働くことが利益を生むという考え方をしている企業は多いようであるが、業務の見直し、効率化によって労働時間を削減し、活気ある職場づくりに成功した事例もある。労働時間の削減によってワークライフバランスが実現された社会となることが望まれる。
講評  介護現場への外国人労働者の受け入れ、日本に適した成果主義とは、日本農業とTPP、過労死や長時間労働、教育格差、児童虐待と貧困保育サービスの拡充と保育士の労働、中国の人事システム、大学教育の質向上と構造改革等、今年も卒論のテーマはさまざまであった。テーマはさまざまであるけれど、どの卒論も書いた学生にとっては、そのテーマを選ぶ必然性があるものである事は、卒論授業を通して感じていた。つまりゼミ生の今という時代に対するアンテナは確かに鋭敏なのである。
 しかし、必然的に掲げられたテーマについてどれだけ迫り得たかというと、やはり今年も二極分化していたと思う。毎年、私のゼミではEVE前に卒論の草稿を提出してもらう。その時点で、ネットに漂っている情報を適当にまとめて卒論にしたものとある程度文献にあたって、文献と格闘しながら書いたものに分かれていた。つまり卒論にかけた時間が全く違っていた。つまり、テーマに対する本気度が異なっているように見受けられた。
 なぜこうなってしまうのか。それはやはり学ぶという事に対する浅薄な理解の故ではないかと思う。これは、つまりはそのようなゼミの時間しか皆さんと共有できなかった私の自戒にも他ならないのだが、学ぶことは各種の試験を突破するためであって、どうも働き生きていくこの自分とは無関係と思われているように見える。しかし、学ぶ事は働き生きていく上での最大の武器なのだ。
 皆さんが卒論に取り組み始めた頃に、3年ほど前に卒業したゼミ生が訪ねて来てくれた。彼が担当しているのは京都の中心部の再開発である。中心部の再活性化には女の人がとにかく来てくれる、住んでくれる町にしなければいけないが、なにかそのヒントになる事はないかだろうかといって、会いに来てくれたのだ。その時、彼は手ぶらで来たのではなかった。自分なりに調べたデータをまとめたレジュメを手に現れた。彼が言うには、町の開発には感性が必要であることは間違いないけど、これだっという感覚を説得的に他者に伝えるには論理、つまりデータが必要不可欠だからだそうだ。
 彼の作ったレジュメをみた時、産業関係実習での発表と似たことをしているのだと思った。もちろん単なる発表ではない。それによって組織が動き、お金が投下され、事実として町が変わる。そういう意味では学校の勉強とは違う。しかし、そこで彼が使用している手法は間違いなく大学で身につけた事と重なっていた。
 
キーワード1 長時間労働
キーワード2 ワークライフバランス
キーワード3 少子化
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