詳細 | |
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学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2013 |
ゼミ名 | 寺井 基博 |
タイトル | インドとカースト |
内容 | インドを訪れて、最も関心を持ったのがカースト制度であった。町を見ればすぐにわかるような格差を作ったカースト制度が、なぜいつまでもなくならないのかという不思議を抱いていた。研究をすると、カーストは最近できた用語であり、カーストの在来の概念はヴァルナとジャーティと言われている。ヴァルナとジャーティとはそもそもなんなのか。主にそれらの誕生から意味内容、カーストとの関係性について述べていく。その中から今のインド社会につながるような内容を見つけ出していく。また、インドがヨーロッパと出会い、イギリスの植民地にされたときの影響なども述べ、最後に過去のカーストの意味内容と現在の意味内容ではどのような変化がみられるのかを研究した。一般的に日本人が抱いているカーストは差別という印象が強いだろうが、ひとつの国の中に多民族・多文化が存在するためには大切な要素の一つであった。 |
講評 | 提出された論文のタイトルは、「日本における『成果主義』の再考察」「ブラック企業の定義とその実態-労働者にとっての良き企業とは」「心理的契約から見る労働契約」「サラリーマンが抱える問題」「高等学校におけるキャリア教育はなぜ根づかないのか」「日本における外国人労働者の現状と課題」等々。関心のある内容なら全力で取り組むことができるのではないかと考えてテーマは自由としたが、概ね労働領域のものであった。 事前の指導として、独自の見解や解決策を書く必要はなく、自分が選んだテーマについて考え抜いたことを書くように勧めた。自分の考えを書くといっても、まずは先行研究を読んで、議論の枠組みや主要な論点を把握しなければならない。また、論文の作法として、他者と自己との見解を峻別しなければならない。ここで多くの学生が戸惑うのは、先行研究の中ですでに殆どすべてのことが書かれてしまっているので、この上「自分の考え」として何を書けばよいのかということだ。 答えは明瞭である。先行研究の記述をどのように理解し評価したかを書けばよい。この作業そこが分析であり、その結果が「読み手の考え」に他ならない。文献研究が単なるコピー&ペーストとならない所以である。 また、社会問題をテーマとした論文では解決策や提案を書かなければならないと思ってしまいがちだが、決してそうではない。とくに雇用領域における問題(長時間労働や正規・非正規雇用の格差など)は、「第一線の実務家の努力をもってしてもなお解決できていない」ということであり、それを分かることが何よりも大切である。卒業論文の執筆を通して上記のことに気づいたとすれば、それは大きな収穫である。 提出された論文は、思索的なもの、地道な努力が光るもの、苦悶の跡が窺われるものなど多彩であったが、いずれもそこには「現在の自分」が現れている。確かに、考察が不十分なところや論理展開がやや強引なところなど荒削りな面はある。しかし、筆者の思いが切々と綴られた部分は、自ずと読む者を惹きつける。それは自分自身との対話の深さによるものだろう。卒業論文の自分を起点として、社会人として新たなスタートを切ってもらいたい。 |
キーワード1 | カースト制度 |
キーワード2 | インド |
キーワード3 | ヴァルナ |
キーワード4 | ジャーティ |
キーワード5 | |
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