詳細 | |
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学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2013 |
ゼミ名 | 冨田 安信 |
タイトル | 「障害者の雇用促進と待遇改善」 |
内容 | 障害者の雇用率は国際的に見てもかなり低い。障害者の就労を促進するためにはよりよい施策の推進が不可欠であるが、どのような改善を行なえばよいのか。まず、日本の障害者雇用施策の歴史が浅いことが雇用率がまだ低い原因として考えられるが、これからそうした雇用施策が徐々に定着すると期待される。次に、障害者雇用率が高い企業や諸外国の事例を参考にして、いまだに残る障害者雇用に対する差別的な意識を改善していく必要がある。また、雇用率向上に貢献している特例子会社は労使ともにメリットを認めているが、「共に働く」という目標に反しているという指摘もある。一方で、働くことのできない障害者には年金などの所得保障が必要となる。しかし障害者年金は障害者等級別に支給されるものであり、費用の多寡にはマッチしていない。あるいは、障害年金制度自体が老齢年金制度と一体的に運営されていることによる不備も見られる。雇用促進も保障制度の改善も、障害者一人ひとりに対応していくことが求められる。 |
講評 | 趣味など自分の興味があることを卒業論文のテーマに選ぶ学生は毎年います。今年度であれば、「日本のコンテンツ産業の今」と「「若者の車離れ」の打破」です。前者はアニメーターの厳しい労働環境を明らかにし、産業関係学科らしい内容になりました。後者は国内の新車販売台数が減少している原因と対策です。若者の車離れは日本だけでなく、先進諸国に共通した現象のようです。4月から就職する会社の業界をテーマに選ぶ学生もよくいます。「住宅産業の誕生と変化」がそうです。大手の住宅メーカーでも市場占有率は数%で、住宅産業は規模の経済が働かない産業のようです。「正しい消費税」も産業関係学科とは関係しないテーマです。スウェーデンなど消費税率がかなり高い北欧諸国で、高い税率に国民が不満を持たないのはなぜかも議論しています。今年度は、なぜか障害者雇用をテーマにした学生が二人いました。「日本の障害者雇用」と「障害者の雇用促進と待遇改善」です。前者はダイバーシティ・マネジメントの視点から障害者雇用を議論していること、後者は障害者雇用だけでなく、障害者年金についても議論していることが特徴です。うち1人は身近なところに障害者に係わる人がいたようです。身近と言えば、アルバイトの経験をテーマにする学生も多いようです。「アルバイトが活躍するファンの多い会社」がそうです。お客様と接するアルバイトが活躍して顧客満足度が高まり、リピーターが増えて企業業績が伸びるというストーリーです。産業関係学科らしいオーソドックスなテーマもありました。「日本の長時間労働と豊かな生活に向けて」は、長時間労働を是正することで時間当たり労働生産性が高まること、幸福度が高まることを明らかにしています。「様々な格差-正規・非正規、男女、学歴-」では、企業は利益を追求することが目的である以上、男女雇用格差や学歴格差が生じることはやむを得ないという見方も示しています。「日本に女性社長を増やす必要性と問題点」は、シェリル・サンドバーグ、南場智子、上田理恵子という3人の女性社長の体験を詳しく分析して考察しています。最後が「エロティック・キャピタル」です。イギリスの社会学者キャサリン・ハキムの本を読んで書きました。学生が私の研究室の本棚にあるこの本を見つけて卒業論文にしました。研究室には私の研究に使う本だけでなく、学生が卒業論文のテーマを考えるきっかけになりそうな本や雑誌も並んでいます。テーマに困ったら、ゼミの先生の研究室を訪ねて本棚を眺めてみたらどうでしょう。 |
キーワード1 | 障害者雇用 |
キーワード2 | 法定雇用率 |
キーワード3 | 障害年金 |
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