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学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2013 |
ゼミ名 | 越水 雄二 |
タイトル | ルーベンスの作品に見る絵画芸術が持つ教育的意義 |
内容 | 本稿は、ピーテル・パウル・ルーベンスPeter Paul Rubens(1577‐1640)の絵画を通じて、絵画芸術の持つ教育的意義を探ったものである。私は、2012年に訪れた九州国立博物館開催の「ベルリン国立美術館展」がきっかけで、思想や文化の伝達といった芸術の教育的側面に興味を抱くようになった。そこで、宗教画や寓意画を数多く手掛け、バロックの代表的画家であるルーベンスの絵画に焦点を当てる。第1章では、ルーベンスの生涯やバロック美術の基礎的な知識について確認していく。第2章では、当時のフランドルを取り巻く宗教事情について見ていき、宗教教育においてルーベンスの絵画がどのような教育的影響力を持っていたのかについて考える。第3章では、大画家としての地位を手に入れた後のルーベンスの外交活動に注目する。そして、外交活動から得た経験をどのように絵画で伝えようとしていたのか検討していきたい。以上を通じて、絵画芸術の持つ教育的意義を考察する。 |
講評 | 今年度、「西洋教育文化ゼミ」で2万字の卒業論文に取り組んだ学生は16名でした。各自の興味関心から出発して設定された研究テーマはバラエティに富んでいます。同時に、対象地域を見れば、フィンランドとスペインが3名ずつでイギリスが4名という重なりがあり、また、著名な思想家と画家に2名ずつが取り組み、西洋人の日本人観と動物観がテーマにされたように、研究内容に共通性をもつ仲間がゼミ内に少なくとも1名ずつはいたことが、意外さも感じられた今年度の傾向として指摘できるでしょう。どのテーマも私自身にも興味深く、筆者の個性が発揮される力作を期待していました。しかし率直に言って、それぞれ就職活動、教員採用試験や公務員試験に備えた受験勉強、ボランティアやサークル活動などにも相当の時間とエネルギーを注がねばならなかった結果からか、研究をあまり深められないまま、かつ、文章も十分推敲しない状態で提出された卒論が例年よりも多かった事実を、残念ながら私は認めざるをえません。指導が至らなかった点を反省しています。これは、「要求水準を満たさない卒論が多い」と不満を言っているのではありません。自己評価も他者からの評価も別にして、つまり内容の出来はともかく、「自分が持つ力は卒論に十分注ぎ込んだ」と何名が振り返られるでしょうか。そう言えるような取り組みを皆さんへ促す雰囲気をゼミに醸成できなかったのは、本当に申し訳なく、悲しいことです。とはいえ、ひとりひとりにとって、自分が知りたい事柄を調べて考え、ゼミでの報告と議論も重ねつつ、最終段階では仲間と原稿を読み合い検討もして卒業論文を完成させた経験は、大学生活の思い出として記憶されるだけではなく、今後の生活や仕事の中での学びにも活かされていくように祈っています。最後に、今年度もゼミ生の報告と論文から、私は多くを学ばせてもらいました。上記の反省と共に、皆さんへの感謝も忘れません。(2014年1月17日 越水雄二) |
キーワード1 | 教育 |
キーワード2 | 絵画 |
キーワード3 | ルーベンス |
キーワード4 | 美術 |
キーワード5 | バロック |
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