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学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2013 |
ゼミ名 | 越水 雄二 |
タイトル | フィンランドの育児支援-〈子ども家族〉に与える影響- |
内容 | 筆者はOECDによるPISAの結果(2006)で高学力を誇るフィンランドの教育に興味を抱き、その背景また前提ともいえる幼児期の教育や育児支援に関心を広げ、本稿の研究課題に設定した。本稿では、その制度の背景や展開を辿り、具体例として育児休暇や給付、保健センターとしての役割を果たすネウボラ、保育サービス、事前教育機関であるエシコウルを取り上げ、特徴を研究する。そのような多元化が進む保育サービスや家族の在り方の現状をふまえた上で、育児支援はどのような影響を家族や子どもに与えているのか、子どもは幼児期をどのような環境で育つのか考察した。結論として育児支援の多元化は家族の在り方の多様化を支えているのではないかということが明らかとなった。フィンランドの育児支援について一言で表すとすれば、子どもを社会で育てるという意識が共有されていること、子育てに対する“平等”の理念が徹底されていることが言えよう。 |
講評 | 今年度、「西洋教育文化ゼミ」で2万字の卒業論文に取り組んだ学生は16名でした。各自の興味関心から出発して設定された研究テーマはバラエティに富んでいます。同時に、対象地域を見れば、フィンランドとスペインが3名ずつでイギリスが4名という重なりがあり、また、著名な思想家と画家に2名ずつが取り組み、西洋人の日本人観と動物観がテーマにされたように、研究内容に共通性をもつ仲間がゼミ内に少なくとも1名ずつはいたことが、意外さも感じられた今年度の傾向として指摘できるでしょう。どのテーマも私自身にも興味深く、筆者の個性が発揮される力作を期待していました。しかし率直に言って、それぞれ就職活動、教員採用試験や公務員試験に備えた受験勉強、ボランティアやサークル活動などにも相当の時間とエネルギーを注がねばならなかった結果からか、研究をあまり深められないまま、かつ、文章も十分推敲しない状態で提出された卒論が例年よりも多かった事実を、残念ながら私は認めざるをえません。指導が至らなかった点を反省しています。これは、「要求水準を満たさない卒論が多い」と不満を言っているのではありません。自己評価も他者からの評価も別にして、つまり内容の出来はともかく、「自分が持つ力は卒論に十分注ぎ込んだ」と何名が振り返られるでしょうか。そう言えるような取り組みを皆さんへ促す雰囲気をゼミに醸成できなかったのは、本当に申し訳なく、悲しいことです。とはいえ、ひとりひとりにとって、自分が知りたい事柄を調べて考え、ゼミでの報告と議論も重ねつつ、最終段階では仲間と原稿を読み合い検討もして卒業論文を完成させた経験は、大学生活の思い出として記憶されるだけではなく、今後の生活や仕事の中での学びにも活かされていくように祈っています。最後に、今年度もゼミ生の報告と論文から、私は多くを学ばせてもらいました。上記の反省と共に、皆さんへの感謝も忘れません。(2014年1月17日 越水雄二) |
キーワード1 | フィンランド |
キーワード2 | 育児支援 |
キーワード3 | 子育て |
キーワード4 | 幼児教育 |
キーワード5 | 家族 |
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