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学科 教育文化学科
年度 2013
ゼミ名 越水 雄二
タイトル 近代ヨーロッパの人々の動物観 -動物園の成立史を通して-
内容 人々はどのような思いで動物園をつくろうとしたのだろうか。動物園が「近代的動物園」の対象として成立するまでの過程を探ることで、ヨーロッパの人々の動物に向けたまなざしの変化を知り、当時の社会の在り様をより深く学ぶことができるのではないだろうか。本稿では主に近代ヨーロッパに焦点を当て、それぞれの時代の動物観がよく反映される「動物園」の成立史とそこに潜む動物観の変容を検討する。第1章では、ヨーロッパの動物園について主に古代から近世の動物園の成立史を通してそれぞれの時代の動物観について検討する。第2章では、近世までのメナージュリーが近代的動物園と呼ばれることとなる過程を概観し、そこに見られる動物観を探っていく。さらに科学と結びついて発展した、ロンドン動物園の事例を取り上げる。第3章では、19世紀のロンドンにスポットを当て、とある巡回見世物の事例から当時の人々の動物観について可能な限り深く迫ることとしたい。
講評 今年度、「西洋教育文化ゼミ」で2万字の卒業論文に取り組んだ学生は16名でした。各自の興味関心から出発して設定された研究テーマはバラエティに富んでいます。同時に、対象地域を見れば、フィンランドとスペインが3名ずつでイギリスが4名という重なりがあり、また、著名な思想家と画家に2名ずつが取り組み、西洋人の日本人観と動物観がテーマにされたように、研究内容に共通性をもつ仲間がゼミ内に少なくとも1名ずつはいたことが、意外さも感じられた今年度の傾向として指摘できるでしょう。どのテーマも私自身にも興味深く、筆者の個性が発揮される力作を期待していました。しかし率直に言って、それぞれ就職活動、教員採用試験や公務員試験に備えた受験勉強、ボランティアやサークル活動などにも相当の時間とエネルギーを注がねばならなかった結果からか、研究をあまり深められないまま、かつ、文章も十分推敲しない状態で提出された卒論が例年よりも多かった事実を、残念ながら私は認めざるをえません。指導が至らなかった点を反省しています。これは、「要求水準を満たさない卒論が多い」と不満を言っているのではありません。自己評価も他者からの評価も別にして、つまり内容の出来はともかく、「自分が持つ力は卒論に十分注ぎ込んだ」と何名が振り返られるでしょうか。そう言えるような取り組みを皆さんへ促す雰囲気をゼミに醸成できなかったのは、本当に申し訳なく、悲しいことです。とはいえ、ひとりひとりにとって、自分が知りたい事柄を調べて考え、ゼミでの報告と議論も重ねつつ、最終段階では仲間と原稿を読み合い検討もして卒業論文を完成させた経験は、大学生活の思い出として記憶されるだけではなく、今後の生活や仕事の中での学びにも活かされていくように祈っています。最後に、今年度もゼミ生の報告と論文から、私は多くを学ばせてもらいました。上記の反省と共に、皆さんへの感謝も忘れません。(2014年1月17日 越水雄二)
キーワード1 動物観
キーワード2 動物園
キーワード3 近代ヨーロッパ史
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