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学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2013 |
ゼミ名 | 越水 雄二 |
タイトル | レオナルド・ダ・ヴィンチに関する考察-生涯を辿り作品を捉える- |
内容 | 『モナ・リザ』、『最後の晩餐』といったレオナルド・ダ・ヴィンチの絵画はなぜ名画と呼ばれているのだろうか。筆者が小学生の時に実際に『モナ・リザ』を見て一番に感じた疑問について答えを得るために、本論文では彼の作品を生んだ、ルネサンス美術の社会背景、を理解し、彼自身の生涯を辿った上で、その二代作品の解釈を試みた。レオナルドの生まれたルネサンス期は、経済的に力を高めた新しい階層の人々が、美術品に影響を与え、それまでの形式とは異なった新しい芸術が生まれた時代であった。この中で、レオナルドは様々な主人の下で、画家としてだけではなくて様々な分野の専門家として働き、同時に科学的な学問研究にも打ち込んでいく。本稿で考察する二作品は、彼がそれまでの生涯で学んできた絵画技法と学問の集大成といえる。彼は『モナ・リザ』の中にルネサンスの理想である、「調和・均整」を実現したのだった。 |
講評 | 今年度、「西洋教育文化ゼミ」で2万字の卒業論文に取り組んだ学生は16名でした。各自の興味関心から出発して設定された研究テーマはバラエティに富んでいます。同時に、対象地域を見れば、フィンランドとスペインが3名ずつでイギリスが4名という重なりがあり、また、著名な思想家と画家に2名ずつが取り組み、西洋人の日本人観と動物観がテーマにされたように、研究内容に共通性をもつ仲間がゼミ内に少なくとも1名ずつはいたことが、意外さも感じられた今年度の傾向として指摘できるでしょう。どのテーマも私自身にも興味深く、筆者の個性が発揮される力作を期待していました。しかし率直に言って、それぞれ就職活動、教員採用試験や公務員試験に備えた受験勉強、ボランティアやサークル活動などにも相当の時間とエネルギーを注がねばならなかった結果からか、研究をあまり深められないまま、かつ、文章も十分推敲しない状態で提出された卒論が例年よりも多かった事実を、残念ながら私は認めざるをえません。指導が至らなかった点を反省しています。これは、「要求水準を満たさない卒論が多い」と不満を言っているのではありません。自己評価も他者からの評価も別にして、つまり内容の出来はともかく、「自分が持つ力は卒論に十分注ぎ込んだ」と何名が振り返られるでしょうか。そう言えるような取り組みを皆さんへ促す雰囲気をゼミに醸成できなかったのは、本当に申し訳なく、悲しいことです。とはいえ、ひとりひとりにとって、自分が知りたい事柄を調べて考え、ゼミでの報告と議論も重ねつつ、最終段階では仲間と原稿を読み合い検討もして卒業論文を完成させた経験は、大学生活の思い出として記憶されるだけではなく、今後の生活や仕事の中での学びにも活かされていくように祈っています。最後に、今年度もゼミ生の報告と論文から、私は多くを学ばせてもらいました。上記の反省と共に、皆さんへの感謝も忘れません。(2014年1月17日 越水雄二) |
キーワード1 | ルネサンス |
キーワード2 | 万能人 |
キーワード3 | モナ・リザ |
キーワード4 | 調和・均整 |
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