詳細 | |
---|---|
学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2013 |
ゼミ名 | 越水 雄二 |
タイトル | カタルーニャの言語教育から探るスペインの地域主義 |
内容 | 本論文では、カタルーニャ地方における言語教育を中心に取り上げながらスペインの地域主義について考察していく。第1章ではスペインとカタルーニャそれぞれの歴史を追う中でその形成と発展の特徴を読み取り、国と地域に関する問題について考察する。第2章ではスペインの地域主義について、それが存在する原因をいくつかの視点から考察していく。そのうえで、特にカタルーニャ州では具体的にどのような現象に結果として表れているのか、いくつかの例を見ていく。第3章では、地域主義に関わる根本的な問題として言語に注目している。第1、2章で見てきた内容を踏まえたうえで、スペインの言語問題について考えていきたい。国内での地域言語を守る取り組みや、カタルーニャでの言語教育がどのように行われているのか探り、結論として、グローバル化が進む世界の中でスペインがどのように多元化を達成しようとしているのかを考察していきたい。 |
講評 | 今年度、「西洋教育文化ゼミ」で2万字の卒業論文に取り組んだ学生は16名でした。各自の興味関心から出発して設定された研究テーマはバラエティに富んでいます。同時に、対象地域を見れば、フィンランドとスペインが3名ずつでイギリスが4名という重なりがあり、また、著名な思想家と画家に2名ずつが取り組み、西洋人の日本人観と動物観がテーマにされたように、研究内容に共通性をもつ仲間がゼミ内に少なくとも1名ずつはいたことが、意外さも感じられた今年度の傾向として指摘できるでしょう。どのテーマも私自身にも興味深く、筆者の個性が発揮される力作を期待していました。しかし率直に言って、それぞれ就職活動、教員採用試験や公務員試験に備えた受験勉強、ボランティアやサークル活動などにも相当の時間とエネルギーを注がねばならなかった結果からか、研究をあまり深められないまま、かつ、文章も十分推敲しない状態で提出された卒論が例年よりも多かった事実を、残念ながら私は認めざるをえません。指導が至らなかった点を反省しています。これは、「要求水準を満たさない卒論が多い」と不満を言っているのではありません。自己評価も他者からの評価も別にして、つまり内容の出来はともかく、「自分が持つ力は卒論に十分注ぎ込んだ」と何名が振り返られるでしょうか。そう言えるような取り組みを皆さんへ促す雰囲気をゼミに醸成できなかったのは、本当に申し訳なく、悲しいことです。とはいえ、ひとりひとりにとって、自分が知りたい事柄を調べて考え、ゼミでの報告と議論も重ねつつ、最終段階では仲間と原稿を読み合い検討もして卒業論文を完成させた経験は、大学生活の思い出として記憶されるだけではなく、今後の生活や仕事の中での学びにも活かされていくように祈っています。最後に、今年度もゼミ生の報告と論文から、私は多くを学ばせてもらいました。上記の反省と共に、皆さんへの感謝も忘れません。(2014年1月17日 越水雄二) |
キーワード1 | スペイン |
キーワード2 | カタルーニャ |
キーワード3 | 地域主義 |
キーワード4 | 言語教育 |
キーワード5 | 文化の多元性 |
戻 る |