詳細 | |
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学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2013 |
ゼミ名 | 上田 眞士 |
タイトル | トヨタの功罪 |
内容 | 日本だけでなく世界を代表するトヨタ自動車。トヨタ自動車の「カイゼン」という言葉が海外でもそのまま「カイゼン」と使われるほどに世界からも、トヨタ自動車の経営は注目されている。産業関係学科の学びの中でも、何度かトヨタ自動車について取り上げられることが多くあった。ある日そんなトヨタ自動車の労働災害について目にする機会があり非常におどろくと同時に、なぜそうなってしまうのか疑問に思った。そこでトヨタが世界一の企業となるまでの過程と経営の特徴(拡張力と結合力)ついて理解を深めていく。するとトヨタが世界一へと成長する過程で、生まれてきた課題やデメリットが見えてきた。トヨタの成長と輝かしい功績の裏側で犠牲が出た原因と、事象を文献や実際に働いている労働者の声をもとに明らかにし、最終的にトヨタ自動車の功罪について自分の考えを述べる。 |
講評 | 提出された卒論テーマを分野別に列挙してみると,「日本の家電産業復活の鍵」「日系企業の海外進出と現地化」「ブラック企業・名ばかり管理職・新卒採用問題」「女性雇用と育休問題」「マネジメント・リーダーシップ」等々となっています。これらのテーマに表出しているものは,一方での経済や経営のグローバル化の進展,また他方では国内での種々の労働問題の発生という,現代日本の雇用社会が展開しているダイナミズム,そこでの当事者たちの苦闘に他なりません。たしかに個々の論文ごとに,問題の掘り下げや論理的な記述という点では精粗もありました。しかし基本的には,卒論作成という課題に対して,困難な就職活動の中でもゼミ生皆が誠実に取り組んでくれた,そのように考えています。そこで,ここでは一年を通した卒論作業を締めくくる講評として,研究や考察に際して私が大事だと思うポイントを,簡単に指摘しておきたいと思います。 大切なことは,論文の良し悪しの重点は政策提言の出来映えにではなく,問題把握や理解の深さ,広さにこそあるのだということです。そして,そのためにも本質的に批判的な研究や考察態度を持って欲しい,そうした要望です。それは決して簡単なことではありませんが,これまで先人が強調してきたように,一方では現にあるものをその存在の根拠から「肯定的」に理解すると同時に,他方ではその抱え込まざるをえなかった困難や矛盾から現実を「否定的」に理解する,そうした現実への接近態度のことなのだと思います。少しかみ砕き過ぎかもしれませんが,ただ単に日本的雇用の非を鳴らすだけではつまらない,なぜ現実はそうたらざるをえないのか,そこにまで問題把握を広め深めて欲しい,あるいは,ただ単に日本的経営を称賛するだけではつまらない,それが自らの体内に抱え込んだ病理にまで洞察の目を向けて欲しい,そういうことになるでしょう。要するに,現実は必ず緊張や葛藤を孕んでいます。その緊張や葛藤にこそ,考察の焦点があるのだということです。将来への展望(≠「政策提言」)も,実はそうした緊張や葛藤に目を凝らしてこそ,はじめて見えて来るはずのものだと思います。 とはいえ,「言うは易く行うは難し」,これも先人の残した金言です。卒論の評価基準というよりは,論文を執筆する際の心がけだと考えて欲しい,そのように思います。 <以上> |
キーワード1 | 拡張力 |
キーワード2 | 結合力 |
キーワード3 | デメリット |
キーワード4 | カイゼン |
キーワード5 | |
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