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学科 産業関係学科
年度 2014
ゼミ名 寺井 基博
タイトル 「障害者に対する施策の矛盾-障害者と健常者の共生を目指して」
内容  本論文は「障害者と健常者の共生」を実現するにあたって解決すべき課題と現状について記述する。近年、社会においては障害者と健常者の区別なく誰もが同等に生きていく「インクルーシブ社会」の構築が進められている。しかし、日本社会の現状に照らしてみるとインクルーシブ社会の構築を目指しているにも関わらず、教育の場や労働の場においては障害者と健常者の共生は一向に進んでいないのが事実である。私は、労働の場においての障害者雇用が進まない原因を、障害者を別枠に追いやり、特殊な教育の場を設けてきた日本の社会施策や教育の仕方に問題があると考え、まずは日本の障害者に対する教育の歴史を紐解くことを重視し論文作成に取り組んだ。
第一章においては障害者に対する社会の対応をまとめ、これまで障害者が社会から排除され続けてきた歴史と、インクルーシブ社会を目指すまでに至った経緯を記述する。次に、第二章においてはインクルーシブ社会の構築を目指す動きが始まった後においても、障害者が健常者とは別の教育システムや教育環境で学び、事実上の隔離と排除を受けているという事実を記述する。第三章においては、日本企業における障害者雇用の現状と、どのように障害者雇用を推進しているのかを記述し、第四章においては、日本社会が真のインクルーシブ社会を構築するにあたっての課題や取るべき措置、そして現状で目指すべき雇用の形を記述した。最後に、まとめにおいては、本論文に取り組むことで生まれた私なりの考えを記述した。
講評  提出された論文のタイトルは、「働くということ」「日本の人事制度変遷」「労働法における男女平等の現状と課題」、「プロ野球選手の労働者性」「障害者に対する施策の矛盾」、「ホワイトカラー・エグゼンプション導入に関する考察」「カンボジアPKOと現在」等々多彩であった。卒業論文は自分自身と向き合う作業にほかならないので、関心のあるテーマならば全力で取り組むことができるだろうと考えてテーマは自由とした。
 卒業論文の作成にあたって、①オリジナルな分析や見解あるいは政策提言を書く必要はなく、②先行文献を丹念に読み込んで、③それらの見解を論文の形式に沿って整理するように指導した。①でオリジナルな見解や分析を求めないのは、それを気にするあまりに何も書けなくなるからである。卒業論文では、既知の分析結果や見解を自らの判断によって再整理して体系づけることに意味がある。その整理の在り様が各自の考えとなる。
 大切なことは、すでに知っている事実や分かっている見解であっても、その事実や見解は過去に本やウェブ等を通じて得られた知見であり、自分自身のオリジナルな発見や指摘ではないことを自覚することである。それがいつどこで誰によって最初に発見・指摘されたかを明らかにするために出典を明らかにしなければならない。この点に気を付けて文献を整理すれば、基本的に「論文」の形式になる。
 ここまで説明すると、複数の学生からつぎの質問が寄せられる。先行研究の中ですでに書かれてしまっているので、この上「自分の考え」として何を書けばよいのか、いや何も書けない、という内容だ。答えは明瞭である。先行研究の記述をどのように理解し評価したかを書けばよい。これらの作業そこが分析であり、読み手の考えに他ならない。文献研究が単なるコピー&ペーストとならない所以である。
今回提出された各論文は、概ね上記の点について一定基準を上回っている。考察が不十分なところや論理展開がやや強引なところなど、荒削りな面はある。しかし、地道な努力が実を結んだ論文や先行文献の整理を踏まえて筆者の思いが切々と綴られた論文が複数見られた。それらは自分自身との対話の深さによるものであり、それが自ずと読む者を惹きつける。
キーワード1 障害者雇用
キーワード2 分離教育
キーワード3 インクルーシブ社会(共生)
キーワード4 特例子会社制度
キーワード5  
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