詳細 | |
---|---|
学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2014 |
ゼミ名 | 冨田 安信 |
タイトル | 東日本大震災における震災復興と地域産業 |
内容 | 本論文では、東日本大震災が地域産業と雇用に与えた影響、そして、そこからの復興・復旧を海外の事例も交えて分析を行った。人口減少、高齢化が進む被災地のこれからにとって、被災地の基幹的な産業である農林水産業、特に水産関連産業の復旧・復興が進んでいかなければ、若者が流出し、事態は厳しくなっていくことが懸念される。雇用に与えた影響では、増加している求人は建設業が中心であるのに対し、被災地域で求められている雇用は水産加工業が中心であるなど、雇用のミスマッチが指摘されている。そして、重要なのは被災地自らが復旧・復興に向けて動き出すことであり、外部からの支援だけでは不十分である。この問題を解決する「キャッシュ・フォー・ワーク」は被災地の雇用を創出し、復興を促す支援プログラムである。また、被災地の中長期にわたるメンタル面でのケアも震災地の復興では重要になってくる。 |
講評 | 女子学生が多かったこともあり、女性労働に関する論文が3本提出されました。女性が活躍する社会になるためには、女性が結婚・出産後も働き続けることのできる環境を整えることが重要です。3本ともそこに注目しました。働き続けようと思っていた女性が退職してしまう原因を分析した論文、企業内託児所の重要性に着目した論文、そして、コース別人事制度の現状と課題を分析した論文でした。 大学生の就職活動、若者の転職を取り上げた論文が4本と多かったのも今年度の特徴です。大学生の就職活動については、新卒一括採用の是非を論じた論文と「就活断層」に注目した論文でした。若者の転職については、それを適職さがし期間だとしてポジティブにとらえる論文と、技能形成が十分にできないとネガティブにとらえる論文が提出され、興味深く読みました。 日本企業の海外進出に関連する論文も2本ありました。海外勤務者の労働条件を分析した論文、円高・円安が海外進出と国内雇用に与える影響を分析した論文でした。日本でストライキがなくなった原因をテーマにした論文も、東南アジアに進出した日系企業でストライキが頻発する原因を分析する手掛かりになります。 承認がモチベーションに与える影響を論じた論文がありました。これは産業心理学・組織行動学の研究テーマであり、こうした分野の授業が産業関係学科にも必要です。企業スポーツ選手の人材育成について調査した論文は、産業関係調査実習での研究を発展させたものでした。卒業論文のいい書き方です。東日本大震災が地域雇用に与えた影響と雇用対策について書いた論文もありました。被災地に限らず、地域雇用もこれからの重要なテーマです。 |
キーワード1 | 東日本大震災 |
キーワード2 | 雇用のミスマッチ |
キーワード3 | キャッシュ・フォー・ワーク |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
戻 る |