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学科 産業関係学科
年度 2014
ゼミ名 冨田 安信
タイトル 最初の就職が人生を決めるのか~転職の是非~
内容  近年、就職氷河期でも、入社数年で退職してしまう若者の増加が大きな問題になっている。この論文では、なぜ若者は会社をやめるのか、入社数年で離職することはいけないことなのか。また、いい大学に進学し、いい会社に就職することが良しとされた時代は終わり、終身雇用制度や年功賃金体系が崩壊しつつあることの真偽や、離職との関わりを検証した。離職の原因として「就職難による新卒採用枠の減少」や「年功賃金体系の崩壊」があげられる。しかし、現代の若者は早期の離職をネガティブではなく、ポジティブに捉えていることが判明した。28歳までは、自分の「職決め」のための試行錯誤が可能な期間であるため、その期間は自分に合った仕事が見つかるまで転職した方がよいと考える。
講評  女子学生が多かったこともあり、女性労働に関する論文が3本提出されました。女性が活躍する社会になるためには、女性が結婚・出産後も働き続けることのできる環境を整えることが重要です。3本ともそこに注目しました。働き続けようと思っていた女性が退職してしまう原因を分析した論文、企業内託児所の重要性に着目した論文、そして、コース別人事制度の現状と課題を分析した論文でした。
 大学生の就職活動、若者の転職を取り上げた論文が4本と多かったのも今年度の特徴です。大学生の就職活動については、新卒一括採用の是非を論じた論文と「就活断層」に注目した論文でした。若者の転職については、それを適職さがし期間だとしてポジティブにとらえる論文と、技能形成が十分にできないとネガティブにとらえる論文が提出され、興味深く読みました。
 日本企業の海外進出に関連する論文も2本ありました。海外勤務者の労働条件を分析した論文、円高・円安が海外進出と国内雇用に与える影響を分析した論文でした。日本でストライキがなくなった原因をテーマにした論文も、東南アジアに進出した日系企業でストライキが頻発する原因を分析する手掛かりになります。
 承認がモチベーションに与える影響を論じた論文がありました。これは産業心理学・組織行動学の研究テーマであり、こうした分野の授業が産業関係学科にも必要です。企業スポーツ選手の人材育成について調査した論文は、産業関係調査実習での研究を発展させたものでした。卒業論文のいい書き方です。東日本大震災が地域雇用に与えた影響と雇用対策について書いた論文もありました。被災地に限らず、地域雇用もこれからの重要なテーマです。
キーワード1 就職氷河期
キーワード2 若者の早期離職
キーワード3 「職決め」の期間
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