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学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2014 |
ゼミ名 | 上田 眞士 |
タイトル | キャリア教育の推進と実践 -キャリア形成へのヒント- |
内容 | 1999年に公表された中央教育審議会による「初等中等教育と高等教育との接続の改善について(答申)」によって、初めて「キャリア教育」の概念が発せられたが、現在に至ってもキャリア教育はうまく機能していない点が多い。そもそも、キャリア教育が必要となった背景には「若者の雇用を取り巻く環境の変化」と「若者の意識の変化」があり、本論文では、「バブル経済後の日本経済の低迷」、「産業構造の変化」、「グローバル化」、「家庭でのコミュニケーションの減少」などの点を主に背景として論じている。また、キャリア教育には「キャリア教育に対する誤解」、「PDCAの難しさ」、「産学、及び地域連携の問題」などの課題があり、それらによって、キャリア教育は期待される効果を発揮できていない。本論文では、それらの課題の解決策として「自己効力感を意識した教育」、「教師のキャリア教育に対する理解」、「キャリアコーディネーターの活用」を挙げている。また、上記のようにキャリア教育の推進・実践に関して研究していく中で、若年者のキャリア形成に関するヒントとなりうるものも本論文中で考察していく。 |
講評 | 提出された卒論テーマを分野別に列挙してみると,「若年就労問題」「インターンシップ」「女性活用・女性活躍推進」「過労死・ブラック企業」「ワークライフバランス」「企業の生き残り戦略」「労働規制緩和」等々となっています。これらのテーマに表出しているものは,一方での経済や経営のグローバル化の進展,また他方では国内での種々の労働問題の発生という,現代日本の雇用社会が展開しているダイナミズム,そこでの当事者たちの苦闘に他なりません。たしかに個々の論文ごとに,問題の掘り下げや論理的な記述という点では精粗もありました。しかし基本的には,卒論作成という課題に対して,困難な就職活動の中でもゼミ生皆が誠実に取り組んでくれた,そのように考えています。そこで,ここでは一年を通した卒論作業を締めくくる講評として,研究や考察に際して私が大事だと思うポイントを,簡単に指摘しておきたいと思います。 大切なことは,一つには,論文の良し悪しの重点は,問題把握や理解の深さ,広さにこそあるのだということです。そして,そのためにも本質的に批判的な研究や考察態度を持って欲しい,そうした要望です。それは決して簡単なことではありませんが,少しかみ砕いて言えば,ただ単に日本的雇用の非を鳴らすだけではつまらない,なぜ現実はそうたらざるをえないのか,そこにまで問題把握を広め深めて欲しい,あるいは,ただ単に日本的経営を称賛するだけではつまらない,それが自らの体内に抱え込んだ病理にまで洞察の目を向けて欲しい,そういうことになるでしょう。要するに,現実は必ず緊張や葛藤を孕んでいます。その緊張や葛藤にこそ,考察の焦点があるのだということです。 いま一つは,まとめや考察にあたっては,無理矢理な政策提言などを行わないこと,むしろ疑問点を掘り下げて提示することの方が,ずっと大事だということです。政策提言の価値自体を否定するつもりは毛頭ありません。問題は,安易に政策提言してしまう習い性には,「わかったつもりになる」という悪弊が結びつくということでしょう。漠然として曖昧模糊で,何を質問して良いのか判らないという状況から,具体的に解かれるべき問題が見えて来る。おそらくそれが「理解が進む」ということでしょう。そうした態度を皆さんには大事にして欲しいと思います。 とはいえ,「言うは易く行うは難し」。卒論の評価基準というよりは,論文を執筆する際の心がけだ,そのように考えて下さい。 <以上> |
キーワード1 | キャリア教育 |
キーワード2 | キャリア形成 |
キーワード3 | キャリアコーディネーター |
キーワード4 | 自己効力感 |
キーワード5 | 産学連携 |
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