詳細
学科 産業関係学科
年度 2014
ゼミ名 齋藤 毅
タイトル 日本におけるインターンシップの現状と課題
内容 近年、大学生が実際の企業等で就業体験をする「インターンシップ」は、一般社会に広く認知されるようになってきた。私自身も大学生活を通して様々なインターンシップを体験するなかで、採用に直接繋がらないインターンシップをなぜ日本では行うのか疑問をもった。そこで日本でインターンシップが普及した背景と現在のインターンシップの実施状況を踏まえた上で、インターンシップを学生、企業、国が積極的に行う目的、そして実際に効果が出ているかどうかを本文で検証した。結果、日本におけるインターンシップは採用目的で行っているのではなく企業と学生のミスマッチを防ぐという共通の目的があることがわかった。
また海外に目を向けると、日本でインターンシップと呼ばれるものは、海外では昔から導入されており、広く普及している。日本のインターンシップの原型となっている欧米ではどのように行われているのか、また海外と日本のインターンシップとを比較しながら、日本のインターンシップの特徴と今後の課題について考えた。
講評 今年度の春学期に4年生ゼミの担当である樋口先生が体調を崩されたため、秋学期より代役を務めさせていただくことになりました。ゼミの担当変更に伴い、特に論文指導で「求められるもの」も多少変わって、動揺した学生が多かったように感じます。今回の論文指導では、これまで樋口先生が指導されてきた方針をできるだけ尊重しながら、自分の経験に基づいて言うべきことは言うというスタンスで指導にあたりました。
卒業論文の指導にあたって、具体的にどのようなことを心がけたのか。
4年生が卒業論文を提出した後、一部の学生に卒業論文を書いてみた感想についていくつか質問しました。ある勉強熱心な学生から、卒業論文を書くときにどこで苦労したのか、あるいは、苦労していたのかが正直に伝わってくる答えが返ってきました。「卒業論文では過去に書いたことがない字数を求められるので、最初は字数が書けるか心配だったのですが、書き始めると字数量が多く書くことが難しいのではなく、(むしろ)何をこの卒論で述べたいのか、(どのようにして)一貫性と論理性を持って話を進めるか、といったことが難しいことであると感じました。」この学生の答えには、論文を書くときに欠かすことのできないエッセンスが簡潔に表現されています。1つは、何故書くのか、何を明らかにしたいのか(=問題意識)を、論文を書く当人がしっかり自覚する必要があるということ。もう1つは、その上で、勉強の結果、知り得た情報を他者に興味深く伝えるにはどんな論理展開の仕方(例えば目次、章別構成)が妥当であるかを考える必要があるということです。
しかし、言うはやすく行いは難しで、ある学生は特に問題意識について、次のような感想を漏らしていました。卒業論文を書き進めるうちに「前半持っていた興味と後半持っていた興味が異なってしまった」、「当初企てた計画にも問題があったような気もします」と。この学生は論理展開以前の、問題の設定自体に無理があることを多少感じながらも、時間の関係でとりあえず必要な文字数をクリアして論文を提出せざるを得ませんでした。「どうしたらよいか」という政策的指南を書くことに囚われてしまって、その前提になる「当事者がどこで苦しんでいるのか」とか、「どこで当事者は努力しているのか」という現状分析が疎かになってしまったことが、卒業論文を書くモチベーションが低下させる原因になっていたようです。
これら、学生達の感想は、決して学生達にとってだけの課題を示したものではありません。そこには教員である私自身が学生達に授業で伝えようとして伝えきれなかったこと(課題)も反映されています。その意味では学生達にとって課題が多いということは、同時に私自身も反省するところが多いということでもあります。卒業論文の取り組み方は各人各様であり、その取り組み方によって学んだことや課題も様々だと思います。各人の学びや課題を大切にして、一歩一歩前進していって欲しいと思います。
キーワード1 インターンシップ
キーワード2 海外比較
キーワード3 新卒採用
キーワード4 早期離職問題
キーワード5  
戻 る
Copyright (C) Doshisha University All Rights Reserved.