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学科 | メディア学科 |
年度 | 2014 |
ゼミ名 | 佐伯 順子 |
タイトル | AKB48における「恋愛禁止」 その必要性と意義 |
内容 | 本稿は「恋愛禁止」の意義をAKB48の特徴やシステム・SNSの利用・ジェンダーの視点から考察し、そのルールが存在する理由について言及する。 AKBは「会いに行けるアイドル」を掲げ、握手会の現場やSNSなどのネットを主活動の場としファンとアイドルの距離や関係性を縮め、「疑似恋愛」を誘発している。恋愛スキャンダルの分析からも距離が縮まったこともあり、今まで以上にファンは極端な反応を見せる。またアイドルは商品として売り出され、恋愛禁止で「処女性」を守る一方水着や衣装により性の対象ともされている。 「恋愛禁止」はファンからの要求か職として求められているものなのかあるいは運営側の戦略か。アイドルを〈処女性・疑似恋愛・職業・商品化〉という視点から考察した。歴史やシステム等を幅広く検討し、各界の意見も加味することで「恋愛禁止」の意義を導き出した。 恋愛は人として自然な行動で、アイドルも恋愛は自由にすべきである。しかし現実には非難や中傷を受け禊まで求められる。根強くジェンダー意識が残る現状では、アイドルには「恋愛禁止は必要である」と結論づけた。 |
講評 | この学年の佐伯ゼミでは、テレビ・ドラマ分析を中心に学習した結果、映像メディアをテーマにした卒論が全十八名のうち十二本と、最も多かった。最新のディズニー映画やアメリカ映画の人気シリーズ、ホラー映画、宮崎アニメ、米国、韓国、日本のテレビ・ドラマと、国際色豊かで多彩な研究テーマが含まれ、作品、作家研究を中心とする傾向のある美学、芸術学的なアプローチとは異なる、社会的、歴史的背景との関連性を視野に入れた研究となっていることが、本学科ならではの成果といえる。中国からの留学生が米国ドラマにおける「おたく」の概念を分析したり、韓国人留学生が日韓のテレビ・ドラマを比較したり、日本人学生が米国映画におけるアメリカ社会の心性の歴史的変化を明らかにするなど、同志社の国際主義にふさわしいグローバルで比較文化的な達成点を得ることができたことは意義深い。ジェンダーの観点から日本のテレビ・ドラマを分析した研究も、指導教員の専門分野を忠実に学んでくれた成果として評価できる。 ニコニコ動画やテレビゲームと、近年のメディアの多様化を反映したテーマも、同時代の研究として重要であり、ゲーム研究にも日米比較という国際比較の観点が含まれていることも貴重である。バラエティ番組をテーマにした卒業論文が二本含まれていることも、娯楽的コンテンツが学術的研究に値する対象であることを示した、メディア学科ならではの成果といえる。 アイドル研究もポピュラーカルチャー研究として独自の視点をみせ、さらに、旧来のメディアの送り手/受け手という二分法が現代のメディア環境においていかに相対化されているかを、理論的先行研究および最新の具体的事例を通して分析した研究は、メディア理論という硬派な要素をとりこんだ独自の成果であった。 新聞学の歴史を継承する活字メディアの分析としては、政治的、外交的な重要課題をめぐる新聞各紙の比較、スポーツ雑誌にみるヒーロー像、日独の女子サッカー報道の比較、女性ファッション誌についての分析があり、ここでも、留学経験を生かした国際的視点や、雑誌、新聞記事の丹念で実証的な分析が際立っていた。 全体として、国内研究中における隔週指導という変則的なゼミ形式でありながらも、優秀な論文がそろったことは、ゼミ生の謙虚な研鑽の結果として大いに評価できる。 |
キーワード1 | アイドル |
キーワード2 | AKB48 |
キーワード3 | 恋愛禁止 |
キーワード4 | 処女性 |
キーワード5 | 疑似恋愛 |
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