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学科 メディア学科
年度 2014
ゼミ名 小黒 純
タイトル 映画「東京物語」に描かれる家族像
内容  時代が進むにつれて社会は変化する。それは家族形態も同じである。本研究では、小津安二郎監督が撮り続けた家族映画のなかでも、最高傑作として名高い1953年公開の映画「東京物語」を題材に、本作を精読することで、描かれる家族像そして人物像を考察する。第1章では、本研究の目的を示した。第2章では、小津安二郎監督と「東京物語」について詳しく述べ、第3章では内容分析として、136分の全編を22のシークエンスに分け、描写と考察を繰り返した。第4章では「東京物語」に描かれる家族像は、一概には言えない多様な関係性が絡み合って築き上げられるものであるということが実証された。しかし平山家における立場の違う女性たちの比較により、その人物の性格、親との距離感、年齢などは家族像を考慮する材料としては有効であることを明らかにすることができた。
講評  今年度は過去最大の20人を超えるゼミとなった。春学期が終わる7月下旬、「夏休み中に半分以上済ませ、12月上旬には全員が完成させ、卒業旅行の計画でも立てるがよい」と笑顔で見送った。各自が選んだテーマだし、それぞれが前進させることができるだろうと疑わなかった。
 しかし、まったくエンジンがかからなかったようだ。就職活動が終わっていないなど、さまざまな理由が挙げられるが、例年以上に進行が遅い。11月には初めての「卒論合宿」を2泊3日で敢行、12月にも2度の日帰り合宿を行った。オレンジ色のフリクション・ボールを何本消費しただろうか。受講生に返送した添削後のペーパーは高さ20センチ以上に。
 かくして、ようやくクリスマスイブの提出日に全員が間に合った。卒業論文を書く側だけでなく、指導する側も断崖絶壁に立たされたが、辛くも乗り切ることができた。結果的には、全員が一定水準を超える論文を書き上げることができた。
 「大変だったが、達成感を味わった」という感想が届く。卒業論文が修練の機会となったならば、最高の大学生活を送ったことになる。全員が大きく成長したと信じている。
 完成までの過程では、テーマ選びから研究対象や研究方法の検討、さらには研究結果のまとめ方まで、それぞれの場面で、難問をぶつけてもらった。どのように指導すればよいのか、例年以上に新たな挑戦の機会を得た。感謝したいのはこちらの方である。お疲れさま、そして、ありがとう。
キーワード1 映画
キーワード2 家族
キーワード3 小津安二郎
キーワード4 東京物語
キーワード5  
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