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学科 | メディア学科 |
年度 | 2014 |
ゼミ名 | 池田 謙一 |
タイトル | Twitterを介したこれからの企業広報 |
内容 | 従来の「堅い」イメージから大きくかけ離れた、Twitterという場で展開されている企業公式アカウントの「フランク」なコミュニケーションについて、どのようにしてそのような広報形態が発生し、なぜそれが受け容れられているのか、そして今後Twitterを介した広報がどう展開されていくのかという点について考察した。Twitterの持つ投稿の即時性や気軽さから、コミュニケーションそのものの敷居が下がり、企業の公式アカウントとも「リプライ」という形で簡単に交流することができるようになったり、企業もかつてのように形式張らない投稿が可能になった。ユーザーはTwitterという場でのコミュニケーションに「面白さ」を求めるため、企業公式アカウントのゆるい投稿にも、良い意味で予想を裏切る形で面白さを感じてそれを受け容れていると予想される。Twitter独特の気軽なコミュニケーション形態は、企業と生活者、或いは企業同士の交流をより自由で活発なものにしていくだろう。今後の企業広報はTwitterを介して、そういった自由なコミュニケーションから新しいコラボレーション企画やプロモーションを生み出すという役割をも担うようになると考える。 |
講評 | 本ゼミの中でまとめられた卒論の全体的な特徴は、マスメディアもしくはインターネットなどの電子メディアの上で生じているさまざまな社会的現象について、その背後にあるメカニズムについて仮説を立て、実際にその仮説の予測に当てはまるデータがあるかどうかを、主にインターネット上のランダムサンプリングに基づく社会調査、および文献研究から検討した点にある。 卒論の具体的なテーマは、近年のSNSの発展とそこで生じるストレス事象に関連する、ソーシャル疲れ、炎上、対人トラブル、ネットワークの閉鎖性をテーマにした一連の研究があり、単にSNSをメディアとして論じる一般的な議論以上に、ユーザの視点から予測しない影響が検出された。また、マスメディアとSNSやインターネット一般との関連で、テレビのソーシャルメディア化、インターネットが生じさせた消費行動の変容(ショッピングやキーパーソン)、広告コミュニケーションや企業広報の変容、テレビで報道された不祥事に対する反応の差異、インターネット選挙解禁の効果、テレビと動画投稿・動画配信との役割分化、が研究の対象となった。これらはインターネットの発展がマスメディアの利用行動そのものを変化させ、またマスメディアの利用と連動することも明らかにしていた。さらに個別のテーマとしては、タレント出演の報道番組が分かりやすさの追求にはならない一方で従来は報道に接しない層を惹きつけるという効果研究、電子書籍市場の発展を検討すると直線的な発展の予測は当てはまらないという予測研究が行われた。 仮説の予測が当てはまるかどうかは、研究対象とした社会的現象についてのメディアの効果の先行研究や卒論執筆者の論理的な推定力によって左右され、うまく実証できた事例も少なくない。一方、仮説の予測が当てはまらないときに、それがなぜかを多角的な視点から検討するのも、社会的現象の説明には重要な事柄である。本年の卒論はこうした点で粘って検討した点が随所に見え、評価できるが、もう少し分析力を上げれば、さらに説得的な論文になったのではないかという注文も付けておきたい。 |
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