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学科 | メディア学科 |
年度 | 2014 |
ゼミ名 | 池田 謙一 |
タイトル | 電子書籍市場が拡大する可能性およびその展望 |
内容 | 日本国内における、電子書籍市場の動向についての調査結果に関して、その調査者が述べていた今後市場が拡大するという展望に疑問を呈し、自身の考えを述べている。まずは、電子書籍の盛衰の歴史を追う事で、電子書籍市場を形成する要素や、今後想定される不安要素を考察し、今後の電子書籍市場が拡大する事が容易ではない事を述べている。そして、電子書籍の歴史を追う事が、電子書籍を載せる媒体の歴史を追う事にほぼ一致するという知見が得られた。 次に、電子書籍の現状について言及を移した。紙媒体の市場のデータを考察する事で、電子書籍ないしは書籍全体の市場の立ち位置や競合相手を探った。また、媒体目線での話から、作品などコンテンツを供給する側の目線からの言及も試みたが、規格の違いについての話に帰結した。 最後に、ここまで否定的な意見を述べてきたが、今後の電子書籍市場が拡大をする分野や条件についての主張を行った。 結論として、現在の電子書籍は、市場に対して影響を与える要因が多く、独立した市場を形成できていない。そのため、まずは電子書籍が媒体に依存している現状から脱却する必要がある。それが達成されて初めて、電子書籍の展望を論じる事が可能になる。 |
講評 | 本ゼミの中でまとめられた卒論の全体的な特徴は、マスメディアもしくはインターネットなどの電子メディアの上で生じているさまざまな社会的現象について、その背後にあるメカニズムについて仮説を立て、実際にその仮説の予測に当てはまるデータがあるかどうかを、主にインターネット上のランダムサンプリングに基づく社会調査、および文献研究から検討した点にある。 卒論の具体的なテーマは、近年のSNSの発展とそこで生じるストレス事象に関連する、ソーシャル疲れ、炎上、対人トラブル、ネットワークの閉鎖性をテーマにした一連の研究があり、単にSNSをメディアとして論じる一般的な議論以上に、ユーザの視点から予測しない影響が検出された。また、マスメディアとSNSやインターネット一般との関連で、テレビのソーシャルメディア化、インターネットが生じさせた消費行動の変容(ショッピングやキーパーソン)、広告コミュニケーションや企業広報の変容、テレビで報道された不祥事に対する反応の差異、インターネット選挙解禁の効果、テレビと動画投稿・動画配信との役割分化、が研究の対象となった。これらはインターネットの発展がマスメディアの利用行動そのものを変化させ、またマスメディアの利用と連動することも明らかにしていた。さらに個別のテーマとしては、タレント出演の報道番組が分かりやすさの追求にはならない一方で従来は報道に接しない層を惹きつけるという効果研究、電子書籍市場の発展を検討すると直線的な発展の予測は当てはまらないという予測研究が行われた。 仮説の予測が当てはまるかどうかは、研究対象とした社会的現象についてのメディアの効果の先行研究や卒論執筆者の論理的な推定力によって左右され、うまく実証できた事例も少なくない。一方、仮説の予測が当てはまらないときに、それがなぜかを多角的な視点から検討するのも、社会的現象の説明には重要な事柄である。本年の卒論はこうした点で粘って検討した点が随所に見え、評価できるが、もう少し分析力を上げれば、さらに説得的な論文になったのではないかという注文も付けておきたい。 |
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