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学科 メディア学科
年度 2014
ゼミ名 池田 謙一
タイトル 映像メディア視聴の現状とこれから
内容 私はインターネットの普及により、既存のマスメディアの役割が失われていると考えたため、本稿ではテレビや動画サイトを中心とした映像メディア視聴の現状を把握し、これからどのような形になっていくのがよいかということについて考えていく。現状の問題として動画投稿サイトにおける著作権の侵害によるテレビの視聴率低下が挙げられる。また、インターネットの利用時間の増加により、若年層のテレビ離れが進んでおり、そのような問題の解決策を中心に考えていく。結論としてはテレビ、動画投稿サイト、動画配信サービスがそれぞれニュースの視聴、個人による映像の投稿・視聴、映像作品の視聴といった役割を確立することで、違法アップロードをする必要もなくなり、健全な動画視聴が広がると考えられる。また、音楽業界の動向からリアルのイベントとメディアの組み合わせによってメディア産業はさらに盛り上がると考えられる一方で、イベントを仮想体験することができるという意味でヴァーチャルリアル技術の進歩が求められるのではないかと考えられる。
講評  本ゼミの中でまとめられた卒論の全体的な特徴は、マスメディアもしくはインターネットなどの電子メディアの上で生じているさまざまな社会的現象について、その背後にあるメカニズムについて仮説を立て、実際にその仮説の予測に当てはまるデータがあるかどうかを、主にインターネット上のランダムサンプリングに基づく社会調査、および文献研究から検討した点にある。
卒論の具体的なテーマは、近年のSNSの発展とそこで生じるストレス事象に関連する、ソーシャル疲れ、炎上、対人トラブル、ネットワークの閉鎖性をテーマにした一連の研究があり、単にSNSをメディアとして論じる一般的な議論以上に、ユーザの視点から予測しない影響が検出された。また、マスメディアとSNSやインターネット一般との関連で、テレビのソーシャルメディア化、インターネットが生じさせた消費行動の変容(ショッピングやキーパーソン)、広告コミュニケーションや企業広報の変容、テレビで報道された不祥事に対する反応の差異、インターネット選挙解禁の効果、テレビと動画投稿・動画配信との役割分化、が研究の対象となった。これらはインターネットの発展がマスメディアの利用行動そのものを変化させ、またマスメディアの利用と連動することも明らかにしていた。さらに個別のテーマとしては、タレント出演の報道番組が分かりやすさの追求にはならない一方で従来は報道に接しない層を惹きつけるという効果研究、電子書籍市場の発展を検討すると直線的な発展の予測は当てはまらないという予測研究が行われた。
仮説の予測が当てはまるかどうかは、研究対象とした社会的現象についてのメディアの効果の先行研究や卒論執筆者の論理的な推定力によって左右され、うまく実証できた事例も少なくない。一方、仮説の予測が当てはまらないときに、それがなぜかを多角的な視点から検討するのも、社会的現象の説明には重要な事柄である。本年の卒論はこうした点で粘って検討した点が随所に見え、評価できるが、もう少し分析力を上げれば、さらに説得的な論文になったのではないかという注文も付けておきたい。
キーワード1 テレビ
キーワード2 動画投稿サイト 
キーワード3 動画配信サービス 
キーワード4 イベント 
キーワード5 ヴァーチャルリアル技術
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