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学科 メディア学科
年度 2014
ゼミ名 池田 謙一
タイトル インターネットにおけるマーケットの特徴
内容 現代、インターネットは日本国内の大部分に普及するようになり、個人におけるインターネットの利用時間も大幅に伸びるようになってきている。そのような中で、インターネットの利用目的の中で「商品・サービスの購入・取引」が大きな部分を占めているが、インターネットが従来のマーケットにどのような影響を与えているのか、また、今後インターネットと共にマーケットがどのように変化していくのかを考察する。従来、AIDMAのような、人々が商品を購入するようになる過程の中では、マスメディアなどを用いたトップダウン型のマーケティングが大きな役割を果たしていたが、インターネットが普及するようになり、従来を比較し、トップダウン型のマーケティングの影響が縮小し、「自分よりも少し詳しい人」が発信した情報が大きな影響力を得るようになってきた。今後は、インターネットなどの新しいメディアと従来のマスメディアそれぞれの長所・短所を理解し、消費者一人ひとりとどのように付き合っていくのか試行錯誤することが重要になるのではないかと考える。
講評  本ゼミの中でまとめられた卒論の全体的な特徴は、マスメディアもしくはインターネットなどの電子メディアの上で生じているさまざまな社会的現象について、その背後にあるメカニズムについて仮説を立て、実際にその仮説の予測に当てはまるデータがあるかどうかを、主にインターネット上のランダムサンプリングに基づく社会調査、および文献研究から検討した点にある。
卒論の具体的なテーマは、近年のSNSの発展とそこで生じるストレス事象に関連する、ソーシャル疲れ、炎上、対人トラブル、ネットワークの閉鎖性をテーマにした一連の研究があり、単にSNSをメディアとして論じる一般的な議論以上に、ユーザの視点から予測しない影響が検出された。また、マスメディアとSNSやインターネット一般との関連で、テレビのソーシャルメディア化、インターネットが生じさせた消費行動の変容(ショッピングやキーパーソン)、広告コミュニケーションや企業広報の変容、テレビで報道された不祥事に対する反応の差異、インターネット選挙解禁の効果、テレビと動画投稿・動画配信との役割分化、が研究の対象となった。これらはインターネットの発展がマスメディアの利用行動そのものを変化させ、またマスメディアの利用と連動することも明らかにしていた。さらに個別のテーマとしては、タレント出演の報道番組が分かりやすさの追求にはならない一方で従来は報道に接しない層を惹きつけるという効果研究、電子書籍市場の発展を検討すると直線的な発展の予測は当てはまらないという予測研究が行われた。
仮説の予測が当てはまるかどうかは、研究対象とした社会的現象についてのメディアの効果の先行研究や卒論執筆者の論理的な推定力によって左右され、うまく実証できた事例も少なくない。一方、仮説の予測が当てはまらないときに、それがなぜかを多角的な視点から検討するのも、社会的現象の説明には重要な事柄である。本年の卒論はこうした点で粘って検討した点が随所に見え、評価できるが、もう少し分析力を上げれば、さらに説得的な論文になったのではないかという注文も付けておきたい。
キーワード1 インターネットコミュニティ
キーワード2 インフルエンサー
キーワード3 クロスメディア
キーワード4 SIPS
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