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学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2014 |
ゼミ名 | 中川 吉晴 |
タイトル | ニーチェと教育 |
内容 | 統計によれば、現代の子ども達はある種無気力な状態にあり、特に年齢が上がるほどにその傾向は強まる。 そうした子ども達の傾向は一体何を示しているのだろうか。ここでは仮にその状態が「社会に対する無気力感」の発露とし、それは自らの力で社会を変える事が出来ない経験が積み重なった状態であると考えた。そうした、学習性無力感にも似た子ども達の諦観はそのままではこの国の、社会の行く末に暗雲を立ち込めさせる事に繋がる。 そこで、本論文においては、その解決方法の糸口として、19世紀の最も著名な哲学家の一人であるフリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェの思想、特にその中でも「永遠回帰」を中心とする諸思想に着目し、子ども達を現状の無気力な姿から救い出す、あるいは脱却させる事を目的とするものである。 特筆すべきは、ニーチェが批判の対象とした旧来の善悪観に関しての考察は、今現在の社会通念と殆ど変わりないという事実から、ニーチェが説いた「人間を乗り越えるもの」としての存在、即ち「超人」を生み出す為の諸思想は今尚、現実に即した力を持ち続けていると考えられる。また、ニーチェが説く「超人像」と、文部科学省が推奨しつつある生きる力を備えた人物とは類似点が幾つか存在する事。 であるなら、現代教育にはびこる問題点をニーチェ思想に即して改善することは文部科学省の政策に則った人材を養成することにも通じていると考えられる。その為の方策は、実は案外と身近なものであったが、それを解き明かすまでの道筋が本論文である。 |
講評 | 本論文は、子どもの無気力感を分析したうえで、それに対する根本的な取り組みを、ニーチェの思想のなかに見出そうとするユニークな論文である。ニーチェのいう永遠回帰や超人の考えから、生の否定的なモメントを超える肯定的なあり方が提起されており、貴重な論考になっていると見なされる。 |
キーワード1 | ニーチェ |
キーワード2 | 永遠回帰 |
キーワード3 | ニヒリズム |
キーワード4 | 超人 |
キーワード5 | 現代教育 |
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