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学科 | 社会学科 |
年度 | 2014 |
ゼミ名 | 板垣 竜太 |
タイトル | 商店街の活性化と観光地化 ――錦市場商店街を事例として―― |
内容 | 近年、約400年の歴史を誇る錦市場商店街において、観光地化が問題視されている。観光客の増加に伴う地元客の減少により、「京の台所」としての役割を維持することが危ぶまれている。既存の研究では、錦市場においてハーシュマン仮説が成り立つとして、新規参入店舗の錦市場へのLoyalty(忠誠心)を高め、フリーライダー的な行動を防ぐことが重要とされてきた。本稿では、主に個人事業主を対象として20店舗にインタビュー調査を行い、観光地化が錦市場に与える影響を示しながら、この主張の可否を検討した。調査の結果、地元客向けの老舗の中にも、Loyaltyが高まるどころか、錦市場というブランドにフリーライドしている店舗が存在することが明らかになった。錦市場はその道幅の狭さなどから、観光客と地元客の両方を集客することは困難である。観光客向けの新規参入店舗の中には地元客も集客している例もあるため、地元客向けの商店街として再出発すべきである。 |
講評 | 全国的に有名な錦市場の20店舗において、特に人脈もないのに飛び込みで話を聞き、観光地化したことに対する各店舗の意見について丁寧に半構造化インタビューを実施した点がまず評価される。事実の羅列が多く少し読みにくいのは難点であり、またインタビュイーが必ずしも店主でない点も気にはなるし、ハーシュマンの枠組を援用して錦市場という単位で議論することについての理論的展望もほしかったが、多様な商品を扱う個人事業主たちの錦市場に対する距離感が見えてきて、興味深い論文であった。 |
キーワード1 | 商店街 |
キーワード2 | 観光地化 |
キーワード3 | 個人事業主 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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