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学科 | 社会学科 |
年度 | 2014 |
ゼミ名 | 鵜飼 孝造 |
タイトル | 「言語から見える文化と社会―バイリンガルが見る文化のズレ―」 |
内容 | 言語コミュニケーションの違いが、文化・社会とどう関連しているのかを明らかにするため、人類学者エドワードホールのカルチャーのコンテクスト度(Edward 1976)という考え方を中心に、言語の異質性に注目しながら多文化受容について考えていく。また外国語コミュニケーション学習がどのように自分のアイデンティティ・人格の形成に関わっているのかを考える。五章では、日本社会で暮らすバイリンガルの人々にインタビュー調査をし、言語的側面からどう社会・文化を捉えているのかを、バックグラウンドを含めたライフヒストリーと共に考察した。非言語的要因に根ざす経験もあるが、言語コミュニケーションの在り方の違いもまたカルチャーショックを引き起こす要因になることもわかった。英語をはじめ外国語学習の重要性が叫ばれる今日、他言語の学習は、他者の文化や社会への理解だけでなく、新しい自分を発見するということにもつながる。 |
講評 | この研究は、10名の「バイリンガル」にインタビューを実施し、その半数の人が母語を使う時と習得言語を使う時では、パーソナリティやアイデンティティの変化や切替を体験していることを示している。そこから著者は、複数の言語を学ぶことによって、その背景にある文化も学ぶ機会になると結んでいる。だが、いかなる社会の専門知識や職業スキルも単一の言語や文化のなかで習得され運用されることがほとんどである。それは排他性というよりも、職業や専門が高いコンテクスト度と不可分であるからではないか。従って、バイリンガルとして育った人が社会的ハンディを負う可能性も考慮するべきだろう。 |
キーワード1 | 言語 |
キーワード2 | 社会 |
キーワード3 | 文化 |
キーワード4 | アイデンティティ |
キーワード5 | コミュニケーション |
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