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学科 社会学科
年度 2014
ゼミ名 尾嶋 史章
タイトル 人はなぜ、どのように治るのか―伝統医療の視点から―
内容 本稿の目的の一つは、シャーマニズムや呪術がどのように人を治してきたかについて先行研究をもとに分析することである。もう一つは、それをふまえて、近代医療にせよ伝統医療にせよ、なぜ人が治り、どのように治るかを明らかにすることである。
まず、近代医療と伝統医療の世界観を比較し相違点を明らかにした。次に、伝統医療における治療儀礼の考察をし、「仮想世界の臨場感の高さ」、「変性意識状態」に入ること、『「物語」を語る』ということ、「悪いイメージを取り除く」という特徴があることを見出した。また、儀礼を行うという行為そのものが治療になっていることも示した。最後に、伝統医療と近代医療を統合した。
広い意味での「病気」とは「社会的事実が規定する正常から外れており、苦しみが体に表れた状態」であり、「治療」とは「患者の世界観を変える手助け」である。そして、どのような治療であっても、患者の治療に対する「心からの信仰」が病気を治すというのが本稿の結論である。
講評 医療人類学的な観点からアプローチして、先行研究を十分理解するレベルまで達したことは評価できる。これによって「治す」「治る」というのがどういうことを意味するかという点については、理解が得られたと思うが、後半では現実の問題としてなぜ「治る」のかというところに焦点が移りすぎたように感じた。最後まで「治す」「治る」の社会的な意味の探求に徹したほうが、よかったのではないか。
キーワード1 伝統医療
キーワード2 近代医療
キーワード3 治癒
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