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学科 社会学科
年度 2014
ゼミ名 藤本 昌代
タイトル ジンメル理論と流行傾向の検証――ファッション誌の資料分析を通じて――
内容  流行とは何だろうか。流行研究の第一人者であるジンメルを筆頭に、数多くの研究者たちがファッションの流行について研究をおこなってきた。彼らは、性差の観点、社会的観点などさまざまな観点から流行について語っているが、それらの研究のほとんどは理論的なものが多く、実証されてはいない。ジンメルの時代と現代では、社会の構造がまったく変わっている。たとえば、現代ではSNSの登場もあり流行の普及するためのツールはそうすれば、流行の構造にも変化があることが予想できる。もちろん、ジンメルらの述べる大部分は現代でも当てはまるが、現代の流行は語りつくせないはずだ。本当に彼らの理論は当てはまるのだろうか。流行を読み取ることは、日本の現代社会の構造を紐解くためのひとつの近道なのだ。本稿ではファッション誌の資料分析によって、現代社会におけるファッションにおける流行のパターンや構造を分析し、現代版流行論を唱える。
講評 この論文はゲオルク・ジンメルの流行の議論に依拠し、流行の法則としてトリクルダウン説(上層から下層へ)が多い中、現在でもそのことが言えるのかということを検証したものである。方法はファッション雑誌のテキスト分析で、一定期間の雑誌のバックナンバーに出て来る見出しおよび扱われている商品の変遷を計量化することと、ウェブ上の流行発信者への調査データを用いている。テキスト分析データでは、社会の経済動向との連動性が見られ、また商品の流行にも一定周期が見られることが発見された。また、これまでセレブでの流行を大衆が消費するというトリクルダウンに加えて、現在ではSNS上で一般の人々のコーディネートが多くの女性たちから支持を受けることが見出されている。数年前まではブログを書く読者モデルという存在がトリクルダウン説を覆していたが、現在はインターネットのメディア特性がさらに進化し、SNS上に登場する誰しもが注目される存在となるという現象に展開されていることが示された。さらにこの論文は、かつて『情報化社会』で機能より情報を消費するようになると言われた時代から巡り巡って、情報だけでなく、機能的でなければ流行になりえないという点を主張している。
キーワード1 流行
キーワード2 ジンメル
キーワード3 ファッション
キーワード4 資料分析
キーワード5  
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