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学科 | 社会学科 |
年度 | 2014 |
ゼミ名 | 藤本 昌代 |
タイトル | ラグビー指導者から見た競技児童・生徒を取り巻く環境――関西圏のラグビースクールの事例―― |
内容 | 日本国内のスポーツ史に一時代を築いたラグビーの競技人口が年々減り続け衰退の一途を辿ってしまっている。本稿は、そういった流れの中で唯一競技人口が減ることなくむしろ微増しているラグビースクールに注目し、なぜラグビースクールの人口が減ることなく継続しているのか、その継続要因およびその構造を、関西圏の8つのラグビースクールに対するインタビュー調査で明らかにした。 分析結果から3つのことが考察できた。第1に中学ラグビー部の有無やOBの存在などの社会的環境が子供たちのラグビー継続に影響を与えおり、子供たちはOBがもたらす情報によって予期的社会化されていること。第2にもともとのきっかけは子どもであったが、親にとって多様な人々により構成されるラグビースクールというコミュニティが貴重な社会関係資本となっていること。第3にグランドの有無が子供たちの継続意欲には何の影響も与えないということである。 |
講評 | この論文はラグビー人口の減少に危機感をもった筆者が、ラグビー人口を増やしたいという思いで書かれたものである。方法は関西のラグビーのジュニア・クラブチームからランダムサンプリングし、チームの責任者へのインタビュー調査を行っている。研究はプレーヤー人口の増加に成功したサッカーや今もある一定数のプレーヤー人口を維持している野球との比較から、ラグビーがプレーヤー人口を増やせなかった要因について検討し、そのような状況の中で、徐々に増加しているクラブ・チームにその増加、維持の工夫について検討している。その結果、子供たちの多くは親の強い勧めで始めることが多いが、クラブチームでの連帯感や小学校の友人の誘いなどから自発的に継続していくようになること、地域の中学校にラグビー部がある子供は、OBが中学校の様子を伝えに来たり、BBQなどに来て後輩の面倒を見ることから、予期的社会化が起こっていること、また、支援する親同士の絆が強まり、自身の子供が卒業しても親同士のコミュにティが形成され、次世代育成の基盤となっていることなどを明らかになった。 |
キーワード1 | ラグビー |
キーワード2 | スポーツコミュニティ |
キーワード3 | 予期的社会化 |
キーワード4 | |
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